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カミタチによる踊り続ける狂想曲  作者: 狼狐幻風
第二章 真っ赤に燃えるその炎
18/21

07 失踪

この物語は、後を少し考えて作られています。

意味が分からない描写があります。


軽い気持ちで読んでいってください?

  ガラガラガラ

「あぁ、招鵺君。今日もお見舞いに来てくださったんですね」

「まぁ…今は平和だからな。なにか、欲しいものあるか」

「あ、実はもう動けるぐらいには治ってるんですよ」

 五郎を病院に運んでから、三日がたった。この三日間は不自然な程に何も起こらなかった。


 病室にいる二人を窓から眺めながら、私は結界の補強をし続けていた。

「天理様、ここ一帯の結界の補強が完了しました。ですが…」

『うん、分かってる。このままだと明日ぐらいに一気に崩壊しそうね。一応確認だけど…』

「何でしょうか」

 私は継ぎ接ぎだらけの結界を眺めながら天理様と話し続けていた。

『この結界の壊れ方ってやっぱり、人為的だよね』

「はい。これは明らかに後から穴が広げられています。だから、シャドウが現実世界に現れたのでしょう。それと…無天剣の余波で結界の一部に綻びが出来てしまって」

 戦いで放った一撃が結界の一部を薄くしてしまった。その部分には多めに補強をしたが、妖怪達はすぐに気が付いてしまうだろう。

『結界の綻びはこっちで治せるわ。でも、シャドウに関しては別だから、美亜はそっちをお―がい―る―』

「天理様、天理様…嘘、どうして念話が切れて…」

  ピシピシピシ バリンッ ガシャン

 背後から聞こえた音に驚き振り返ると、巨大な手が世界を越えて現れたところだった。

「なっいつの間に」


「招鵺君、あれは」

「分かってる。来い、『連動守護符 護封大剣』」

 俺は窓の外に突然現れた巨大な手を押し返すために、窓から飛び出し護封大剣を勢いよく振り抜いた。そして、割れた空間の淵に手を掛けてぶら下がった。

「招鵺さん、ここら一帯で連鎖的に妖怪が出てきてます」

「なんだって、場所を教えてくれ」

 隣に現れた美亜の話を聞いて、俺はそのまま妖怪の発生場所に向かった。

「招鵺君…僕にも戦う力があれば良かったんですが…」

「…私は火帆さんに伝えに行ってきます」

 一人残された五郎は、近くの本を強く握りしめていた。


  パリンッ

「そこか、帰れ」

「ゴハァ」

  パリンッ

「『雷風飛斬』」

「ギャハァ」

 俺は街中を走りながら、出てこようとする妖怪を片っ端から押し返していっていた。

「はぁ…はぁ…さすがに、数が多い。そこぉ」

「ギャフン」

「くっ…そろそろ御札に込めた力も無くなって」

「隙あり」

「ちっ『反転捕縛符 失神劇』」

「グフゥ」

 少し気を抜くと、死角から妖怪が襲い掛かってきた。それを御札を使って対処したが、ついに御札に込めた力が抜けきってしまった。仕方なく、他の御札を持って対処していくが、今日俺はあまり御札を持ってきていなかった。

「いたぞ、氷だ」

「まだ来るか…『守護符 五芒結界』はぁ…はぁ…攻撃用はもう切れたか…」

 結界を張りながら俺は、妖怪の攻撃を捌いていった。

「ここだ『妖異顕現 火焔柱』」

「ギャアー」「グワァー」「アッタケー」

「はぁ…はぁ…少し、休まねぇと…」

  ドタドタドタ

「へへっ、さすがの雨鵺氷ももう限界か」

「まだ…まだぁ…うっ」

 再び火焔柱を放とうと力を入れようとすると、全身から力が抜けて膝を付いてしまった。その間にも、妖怪が近づき長い爪を俺に向かって振り下ろしてきた。

(体に力が入らない、避けられない)

「『妖異顕現 火車輪撃』…貸し一つ。ここは任せて」

 俺に爪が当たる直前、燃えている車輪が背後から飛んできて、妖怪を弾き飛ばした。そして、後から火帆がやってきた。そして、俺の前に立つと腰から黒い御札を取り出し地面に落とした。

「これを持っていって。火帆のだけどきっと便利」

「うぐっ…ありがとう。はぁ…借りていくぞ」

 俺は火帆の御札を持って、他の場所へ走っていった。

「お前程度が俺を倒せると思っているのか」

「ん…私はもう弱くない。『夜露符 黒撃』」

「なに、その技は」

 火帆が投げた御札は縦横無尽に飛び回り、辺りの妖怪を斬り倒していった。そして、戻ってきた御札を掴むと美亜は薄く笑い言い放った。

「ここ『夜露』の縄張り、好きにさせない」

 その言葉を聞いた妖怪は、逃げようとするが、それを見逃す火帆ではなかった。すぐさま御札を投げつけ、全て倒していくのだった。


「僕はどうしてこんなにも無力なのでしょう」

 病室の窓から外を見れば、大通りを招鵺君と美亜さんが走りながら妖怪を倒しているのが見えた。

「五郎君今、何か言ったの」

「いえいえ、単なる独り言ですよ。あ、鳴宮さん少し水貰ってきてくれませんか」

「いいよー、待っててね」

 僕が病室にいた鳴宮さんにそう頼むと、笑顔を浮かべながら水を貰いに行ってくれた。

  カタン

 一人で病室にいると、もっと僕自身に力があればと考えてしまった。

(たとえあの妖怪が他の妖怪に比べ強いと言っても、ただ一方的にやられるだけだったなんて。僕はどうしたらいいのでしょう)

  コンコンコン

 戦いを思い出しながら外を眺めていると、病室の扉を叩く音が聞こえた。

(この病室に用がある方はいないはずですが…)

「どうぞ」

 僕の言葉が聞こえたからか、病室の扉が開き一人の仙人のような男が入ってきた。その男は、背が高く鍛え上げられた肉体が、服の端から見えていた。

「ふむ…お主の名は無敵ヶ原五郎で間違いないな」

「え…えぇ、そうですが。貴方は」

「儂はそうだな…『岩武』とでも呼ぶがいい。時間が惜しいな、主題に入ろうか。無敵ヶ原、儂の弟子にならんか」

 岩武と名乗る男に突然弟子にならないかと聞かれ、僕は訳が分からなくなってしまった。

「弟子とはなんのことでしょうか」

「力が…力が欲しいのだろう。儂はお主になら力を貸してもいいと感じた。さぁ選べ、弟子になるか、このままか」

 僕になら力を貸してくれると言われ、僕は悩んでしまった。弟子になれば、戦うための力が手に入るかもしれないと思ったからだ。悩みながら外を見れば、今も必死に戦っている狐日団の仲間の姿が見えた。そして、僕は選んだ。

「僕を弟子にしてください。僕に力をください」

「いいだろう。では、さっそく行くぞ」

 岩武は僕を片手で担ぐと、そのまま窓の方へ向かった。丁度その時、鳴宮さんが水を片手に戻ってきた。そして、僕を見て慌てだした。

「五郎君大丈夫なの。ご、五郎君を離して」

「では行くぞ」

 岩武は窓から勢いよく飛びだした。それを追うように鳴宮さんは窓に近づき、力いっぱい叫んだ。

「招君大変、五郎君が攫われちゃう」


「は、今なんて」

 俺は音の声が聞こえた方へ向かうと、空を見知らぬ男に担がれ連れ去られていく五郎を見つけた。

「あれは誰だ。いや、それよりも」

 ビルの壁を使い急いで追いかけていくが、どんどん距離は離されていき気が付けば男の姿は見えなくなっていた。

「そんな…嘘だろ」

 俺の漏れ出した声は、風に流されていった。

岩武となのる男に付いていった五郎

その一幕をしらない招鵺はそらに力の無さにショックをうけた

次回、カミタチによる踊り続ける狂想曲『深層流』創作中です。

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