04 その差はとても広く
この物語は、後を少し考えて作られています。
意味が分からない描写があります。
軽い気持ちで読んでいってください。
「ありがとな。これはちょっとしたお礼だ」
「ありがとう、おじさん。またなにかあったら、音を呼んでね」
「おぅ」
狐日団として活動して、一週間が過ぎ去った。その間にも、戦いがあったが今のところ大きな問題は起こっていなかった。
「ただいまー」
「お帰り音。怪我してない」
「大丈夫だよ」
特に大きな問題は起こらず、俺達は依頼人たちを笑顔にしていっていた。そんなある日、怪しい依頼がやってきた。
『はじめまして、狐日団の皆様方。私達は『拍舞』というものです。今回は少々お願いがありまして、依頼を出させて貰いました。
私達がお願いする依頼はある妖怪の討伐です。
妖怪と聞いても信じてもらえないでしょうが、それを踏まえてお願いしています。よろしければ、一度お会いできないでしょうか
拍舞一同』
「五郎どうする。この依頼受けるか」
「そうですね…まずは話だけでも聞いてみましょうか」
妖怪を認知している所あまり関わりたくなかったが、少しでも情報を手に入れるために五郎と音が会いに行くことになった。しかし、この選択を俺は後で後悔することとなる…
ピーンポーン ガチャ
「えっと、貴方方はどちら様で」
「こんにちは。僕達は狐日団の者です。依頼の件のお話を聞きにやってきました」
「狐日団…依頼見てくれたんですね。中で、隊長からお話を聞いてください」
そういって、出迎えた人は俺達を中に迎え入れた。五郎は一度俺の方を見ると、音と一緒に中へ入っていった。
「お邪魔しまーす」
「お邪魔します」
俺と美亜は、何かあった時の保険のため近くのビルの屋上から眺めていた。客間が庭に近かったおかげか、中に入った五郎と音の様子はよく見えた。
『今日は来てくれて感謝します。私は拍舞の隊長の『如月』と言います。早速ですが、貴方方は妖怪についてご存じですか』
『昔話程度なら、知っていますが。まさか、現代にも存在しているのですか』
五郎達の会話は、全て美亜が見て喋ってくれた。相手の顔は見えないが、俺達と同じように妖怪に詳しい人のようだった。五郎は狐日団が妖怪は知っているが見たことがないように振舞っていた。
『それで、私達が頼みたいのはある妖怪の捕獲です』
『その妖怪の名前は』
『雨鵺氷といいます』
「え、嘘だろ。まさかの卦拍楼の関係者かよ」
どうやら、依頼主は俺のことを知っているようだった。それを聞いた五郎は、情報を引き出すため話を切り込んでいった。
『ところで、捕獲はどのように行うのですか』
『それは、この御札を使ってください』
依頼主から五郎に渡された御札は、この間、白刃という陰陽師が使っていたものだった。その後は、御札の使い方を説明され、話し合いは終わったように見えた。しかし、ここまで喋らなかった音が御札を見ながら質問した。
『ねぇねぇ、私達に捕獲できるのかな』
『確かに、今の話を聞いただけでも寧ろ深手を負いそうですね』
五郎がそう返すと、依頼主は少し考えある場所を指さした。指の先を見ると少し離れたところにちょっとした森があるようだった。
『この場所に、やや強い妖怪が住んでいます。一度ここで腕試しをしてみてはいかかでしょう。危険だと感じれば、すぐ取りやめてもらってもよろしいので』
その話を聞き、五郎はそこに一人で向かうことにしたらしい。俺は、戦いを見届けようと、その場所に向かい始めた。
五郎が目的の場所に付いた時、俺は少し遠くからそれを見ていた。美亜は俺の中に入り一緒に五郎を見ていた。
(さて、一体なにがでるのかな。まぁ、よっぽどのことがない限り)
ヒュン ザッ
「誰だ」
突然、後ろから矢が飛んできて、俺は振り向きながら避けた。矢の飛んできた方を見ると、ビルの上が一瞬光り、大量の矢が降ってきた。
「まずい、美亜」
『分かりました。「えい』少し体を借りますね。『零式稲荷流 ニノ技 異空間抜刀』せぇい」
ブゥン
俺は美亜に体の主導権を渡した。俺の体を使った美亜が、妖刀・無を何もない所から抜刀すると、振ってきた矢を吹き飛ばした。
「返しますね『えい」それにしても、一体誰が…』
俺はビルの上を見ると、もう人影はなくなっていた。いつでも排撃できるように刀を構えて警戒し始めた。
ザクッ
「『二十五式 拘束結界』。今日こそ討伐する」
「う、後ろから」
ビルの方を見ているうちに、白刃に後ろを取られていたらしい。いつものように展開された御札に対して、俺は赤い御札を取り出した。
「なら、『火炎符 炎柱』。焼き付く……せないだと」
いつも通り、火炎符で焼き尽くそうとしても、御札は燃えなかった。
(なんで…火力も上げたのに。ん…あれはラミネート加工か)
よく見ると、御札が全てテカっており、加工されていることが分かった。俺は刀を構えるとある構えを取った。
(だったら、美亜に教えてもらった技をここで完成させる)
「『偽式稲荷流 三ノ技 烈風飛斬』ハァァ」
「飛ぶ…斬撃」
ズシャーン
刀から放たれた剣撃は、御札の一部を巻き込みながら、遥か彼方へ飛んで行った。俺はできた隙間に向かって飛び込むと。地上にいる白刃に向かって御札で作った剣を投げた。
「くらえ、『連動守護符 護封投剣』」
「…『三十一式 守護方陣』。落ちろ、『十五式 束網』」
パンパンパン キンヒュザン
「とどめだ『偽式稲荷流 一ノ技 神速斬』だぁ」
ガーン バリン
「終わり『十五式 束網』」
パーン キン
「え、なんで…なんで当たらないの」
「だから、『自動守護符 簡易対物結界』があるんだよ。『反転起動 捕縛符 失神劇』」
「あ…」
バタッ
『先ほどの烈風飛斬は雷風でしたね』
「さて、五郎はどうかな」
俺は白刃に失神劇を当てると、五郎のところへ向かった。そして、そこでは…
「五郎…おい、嘘だろ」
血塗れで倒れている五郎と、無傷の妖怪がいた。そして、辺りには使用済みの御札が大量に散らばっていた。
人間の白刃を倒せる半妖の招鵺
謎の妖怪を倒せない人間の五郎
次回、カミタチによる踊り続ける狂想曲『越えられない壁』




