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カミタチによる踊り続ける狂想曲  作者: 狼狐幻風
第二章 真っ赤に燃えるその炎
12/21

01 無月が昇る

この物語は、後を少し考えて作られています。

意味が分からない描写があります。


軽い気持ちで読んでいってください?

 火帆の転移府によって俺達は、火帆達がいた音の実家に転移した。

「僕からもいいですか。日車さん、貴女は前に僕が投げたお守りをよけましたね。それは、当たると危険だったからではありませんか」

 俺達は今、謎の転校生である日車火帆を問い詰めていた。

「火帆、助けてくれたことは感謝するが、お前は妖怪なんじゃないか」

「それも、この間まで私達を襲ってきた火車に近しい者なんじゃありませんか」

 俺達の言葉を聞いて、火帆は顔を青くしてしまった。それを見た、音は火帆に抱き着くと優しく語りかけた。

「大丈夫だよ。ここにいる人達は悪い人じゃないから。ただ、隠し事をして欲しくないだけだよ」

「音…火帆は…火帆は、夜露様に言われて、美亜様のことを調べろと言われた。招鵺は火帆に情けをくれたから、助けた」

 少しずつだったが火帆は俺達に話し始めてくれた。

(情けをくれた…やっぱり、この間の火車だったのか)

 どうやら、転移符を渡したのはこの間の貸しを返しただけだったらしい。深い意味が無いと分かると、俺は警戒するのをやめた。

「招鵺さん、いいのですか。また、襲ってくるかもしれないのに」

「たぶん大丈夫だよ。だって、今はそれどころじゃないだろ」

「そうでしたね」

 俺達がそう言うと、五郎が不思議そうな顔をして聞いてきた。

「そういえば、なにかあったのですか」

「実はな、変な人がいて…」

 俺はついさっきのことを話した。すると、音が声を上げた。驚いて音の方を見ると、ものすごく驚いていた。

「えぇー、その人、時々夜遅くに食べに来るよ」

「そうなのか」

 それはつまり、ここの店にこれから来るかもしれないということだった。

「なぁ、俺達が横を通っただけでバレたんだったら、ここにいるの危なくないか」

「確かにそうですね。私と火帆さんと妖刀があるだけで、気が付きそうですし、残り香にも気付きそうですね」

 このままだと、次に店に来られた時にまずいことになると分かった俺達は、五人で何とかする方法を考え出した。

「妖怪がいたことを隠すのでしたら、偽装結界を張るのはどうでしょうか。僕達は人間なので、美亜さんと火帆さんが、見本を書いて僕達で描けば大丈夫なのでは」

「それだけでは足りませんね。妖気を隠す結界を隠す結界、そして、それを隠蔽する結界を張らなければいけませんね」

 三枚の結界を張るには同じ力では隠せないらしい。なので、「五人では張ることができない」と美亜は言った。

「でも、まずは張ってみないと分からないな」

 俺達は火帆が書いた通りに床に文字と図形を描くと、床が青く光り始めた。その光は、音の近くが一番明るいようだった。

「わ、なになに。音の足元が光ってるよ」

「これは…どうやら、音さんはなんかしらの力を多く持っているみたいですね」

「なら、音が起動すればいい」

 火帆は音に近づき、結界の張り方を教え始めた。その間、俺は地下の道場で竹刀を振ることにした。相手は五郎だ。

「ハァ、セィ。『偽式稲荷流 一ノ技 神速斬』」

  バシッ バシッ バシン

「打ち込むのは上手くなりましたが、まだまだ荒削りですね。特に最後の神速斬は、美亜さんのに比べれば威力も速さもありませんよ」

「分かってるけど…」

 五郎はとても強く、そして教えるのが上手かった。そのおかげで、俺は強くなってはいたが、零式稲荷流を使うことが出来ずにいた。

「はぁ…俺と美亜の違いってなんだろ」

「それは…肉体の強度じゃありませんか」

 そう言って、五郎は後ろを向いた。どうしたのかと思い、一度竹刀を下に降ろした。

「強度…って」

「では、『除霊符 太陽波』」

「なっ」

 そして、突然五郎は御札を掲げてきた。そこから発せられる光は、とても清らかで俺の肌を少しずつ焼いていった。

「なんだ、この光は」

「ちょっと、招鵺さんなにか、ってあっつ」

  バタン

 俺の異変を感じてか、上から降りてきた美亜が、光に当たるとすぐさま戻ってしまった。

『招鵺さん、なんで除霊の光に当たっているんですか。私死にますよ』

 どうやら、美亜に対してはとても危険な光だったらしい。おそらく、五郎が強度の違いを説明するために起動したのだろう。

(おかしいな、俺はちょっと肌が焼けるぐらいだが、美亜にはあんなに効くのか。まてよ…五郎はなんともないのか)

「このように、僕、招鵺君、美亜さんの順で被害が違います。おそらく体に流れている力が関係しているのでしょう。招鵺君は、人間離れした身体能力を持っていますが、妖怪程ではありません。つまり、美亜さんが使う剣術を使おうとすると」

「俺の体が耐え切れないってことか」

 技が使えない理由が分かったところで、辺りが少し浄化された気がした。五郎の方を見ても、同じように何かを感じたらしい。

「どうやら、結界が張られたみたいですね。前に来た時と同じ感じがしますから」

 五郎が言うには、火帆や美亜が来てから感じていた、雰囲気が無くなったらしい。俺には良く分からなかった。


 その後、もう日が沈んでしまっていたので、俺達は帰ることにした。俺はもともと行く予定だった、無録神社に向かおうとしたが、鳥居が使えないのでどうしようか考えていた。

「美亜、俺達はどうやって行けばいいんだ」

「そうですね…なら私が連れていきましょうか」

「連れていくってどうやって」

 俺が疑問に思っていると、美亜が俺に向かって足払いをしてきた。とっさのことで何もできずに倒れると、美亜に抱き抱えられた。

「よいしょ。このまま飛んで行きましょう」

 美亜がそう言うと、体に変な浮遊感を感じた。そして、下を見ると綺麗な夜景が広がっていた。美亜を見ると、悪戯が成功したのを笑っている表情をしていた。

「この街はとても綺麗です。私はそんなこの街を守りたい。招鵺さん、これからもよろしくお願いしますね」

「あ、アぁ。よろしくナ」

 夜景は綺麗だが、足場もなく高いところにいるせいで、俺の声は上ずってしまった。

(それにしても、本当に綺麗な夜景だな…こんな平和な日が続けばいいのに)


「むー、空飛べるの聞いてない」

「どうしたの火帆ちゃん、月は出てないよ。じゃあ、電気消すね」

  パチン

思ったより狭い世界

一度動き出したものはすぐには止められないだろう

次回、カミタチによる踊り続ける狂想曲『敵は二つ』お待ちください。

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