第98話 裕司の信念
ジャッジメントの二人は不満げだったが、腹を決めたようだった。
「くそっ、やればいいんだろ、やれば! ああ、そうだよ、俺達は強い、こんなもんなんかに負けるか」
「えー、ちょっと、あたしはまだ死にたくないんだけどぉ」
「ここにいたらどの道死ぬ、だったら仲間を信じて危険な場所に進んだ方がましだ」
「そうかもしれないけど、うぇー」
リシュリーも気が進まないながらも、炎の影を通り抜ける事を選んだ。
裕司達が準備したのを見て、ポポが声をかける。
「ボク、歌って良い?」
召喚悪魔はすぐそこまで来ている。
一刻の猶予もなかった。
(大丈夫、信じてる。ポポちゃんも、コハクちゃんの友達の選んだ腕輪の力も。皆の事、信じてるから怖くない!)
裕司はポポに促す。
「ポポちゃん、お願い」
「うん」
一瞬後、ポポが歌いだす。
その歌が響くと同時に裕司達は煉獄色の炎の壁へと飛び込んで行った。
煉獄色の炎が自分達を焼きつくそうと取り囲んだが、熱さは感じなかった。
(強くなる方法、少しだけ分かったかも。誘拐事件があった時、自分一人で頑張ろうとしてたら、きっと銃の腕は上がらなかったかもしれない、でも加奈ちゃんが一緒に頑張ってくれたから、できたんだ。今も、皆が一緒に頑張ってくれてるから。どんな困難があっても、一緒に戦ってくれる友達を信じて続けて頑張る事が僕にとって大切な事。強くなるための信念なんだ)
その時裕司は、他の誰よりも強く、仲間であるコハクや加奈、ポポの事を信用していた。




