第94話 共同作戦開始
コハクの説得が終わった後、裕司達は作戦を立てた。
兵士達の力は借りられない。
止められると分かっていたし、数はそんなに必要なかったからだ。
肝心なのは、時間を稼ぐ事と召喚悪魔の気を逸らし続ける事だ。
もちろん安全の事を考えながら。
相談して作戦が決まった後、裕司達ははさっそく行動していく。
「ほらほら、こっちだよーだ!」
「馬鹿め、こちらにもいるぞ!」
「え、えーと。こ、こっちもいるよ!」
裕司達は四つの方向に分かれて、召喚悪魔の気を引く作業に取り掛かっていた。
コハクは廃屋から回収してきた塗料で、召喚悪魔のいる地帯を取り囲む様な大規模な魔法陣を描いている最中で、サイードは町の工房や宝石店から大量の触媒を集めている。
なので裕司達がするのは、その邪魔をさせない為に気を引き続ける事だった。
リシュリーが、ジャスティスが、裕司が声を張り上げる中で、フライパンをお玉で叩いていた加奈が言葉を発した。
「裕司様ー、別に気をそらす為なのだから声でなくても音でも良いんじゃないですのー?」
遠くにいる加奈の言葉にきがついて裕司は「あ」と気づく。
体力を温存する意味でも、大声は控えた方がいいかもしれない。
他の二人も揃って、間抜けな顔をしていた。
ポポがそんな加奈の発言の意味をよく分かっていないように、喋る。
「じゃあ、カナ。歌を歌ったら、楽しくて良いんじゃないかなぁ」
「ええ、楽しそうですわね。でも、それだと叫ぶより疲れてしまいますわよ」
「あ、そっかー」
ポポは、誰かが怪我した他の為に裕司達と共に行動してるが、一応何かあってもすぐフォローできるようにという事で加奈の傍にいた。




