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アルカディアの魔法使い  作者: 仲仁へび
第九章

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第92話 同胞のために



 コハクの言葉を聞いたジャスティスは、思い切り顔をしかめて言い返した。


「何言ってんだ。お前らなんか信用できねぇ。協力なんてするかよ、勝手にやってればいいだろ」

「できるもんならやってるわよ。できないから声かけてんじゃない、このおたんこナス」

「何だと!」


 裕司も予想していた事だが、それは友好的な話合いの光景から、かけはなれたものだった。


 すぐに加奈と共に割って入る。


「コハクちゃん、落ち着いて」

「冷静になってくださいまし、これからの事やクレハさんの命がかかっているんですのよ」

「っ、わ……分かってるわよ」


 裕司達に言われたコハクは、はっとした様子で口をつぐんだ。

 そして、心を落ち着けるように呼吸を繰り返す。


 ジャッジメントとコハクの関係を良く知らないポポは、目の前で言い合い二人の気持ちが理解できない様だった。


「ケンカはよくないのに、何でコハク達は仲良くできないんだろ」


 そんなポポを見て、コハクは何かを思いついたようだ。


「そうだわ! あたし達に協力するのが嫌だったら、ポポに協力しなさい。アルカディアの手助けなら良いんでしょ? 勧誘するチャンスだと思って、良いとこ見せなさいよ」


 その発言を聞いたジャスティスは、明らかに先程とは態度を変えて言葉に詰まった。


「……その手には乗らないぞ、体よく利用する気に決まってる。だが……」


 反論しつつも、どうすべきか決めかねている様だった。


 ジャスティスの先には、生気のないサイードの姿。

 リーダーである人間の反応を窺っているのだろう。


 彼らは、明らかにサイードの意見を気にしてる。

 リシュリーが前に言っていた事でも分かる様に、自分達のリーダーの意にそぐわない事はしたくないという意思があるのだろう。



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