第91話 共同戦線
アルケミストの町が襲われた次の日。
裕司達は再び、その街へと訪れていた。
目の前にあるのは、ほぼ壊滅してしまった町の惨状。
クレハの呼び出した召喚悪魔はあれからもずっと、町を壊し続けていたらしい。
今も目の前で無事だった区画を、無残に手で、足で壊し続けて、または口から放った煉獄色の炎で焼き払っている。
そこに呼び出したのは、ジャッジメントの主力メンバーだった。
「よく俺達の居場所が分かったな」
サイードとリシュリーとジャスティス。
けれど、生気の抜けたようなサイードはこちらと一度も会話をする事は無く。
リシュリーはそんなサイードを案じているので、同じくだった。
結果的に話し相手はジャスティス一人となってしまう。
コハクはそんな彼らに言い放った。
「ふん、甘く見ないで。あんた達の行動しそうな事は見当ついてるわ。人目に付きたくない人間がどこに向かうかなんて、分かりきった事だもの」
それは当然の事、という態度で。
裕司と加奈はその言葉に苦笑する。
本当の事を言えば、ほんの少し前まで自分達が指名手配犯だったので、身を隠すならどう行動するかが分かっただけだった。
「あの召喚悪魔が暴れ回ったらあんた達も困るはずよ、何度も言いたくないから一度で理解しなさい。あたし達と協力して、あれを倒すのよ」




