第90話 譲れない決意
ポポは、瞳に強い意思の光を宿しながら、こちらに訴えかけてくる。
「ボクの魔法役に立つよ。ユージ達がたくさん怪我しても治してあげられるよ。戦うのは諦めるから、ボクも連れてってよ。力になりたいんだ!」
裕司と加奈は一歩も引かないポポの様子に、すっかり困り果ててしまった。
だが、譲れないのは裕司達の方も同じだ。
そんな二人の様子を見て、ポポは悲しそうな顔をする。
「どうして? ボクが子供だから駄目なの? ユージ達の力になっちゃ駄目なの? ユージ達だって子供だよ。でも大人の人達と一緒に戦ってたんでしょ? 子供は戦っちゃいけないなら、ユージ達も同じじゃないの?」
「これは一本取られましたわね、私達はポポの事を甘く見ていたのかもしれませんわ」
加奈はため息を付きつつも、仕方がないと言ったように裕司の顔を見つめてくる。
「私達の負けですわ。ユージ様。何かを成し遂げないという思いの強さに、大人も子供も関係ありませんわ。ポポには貴重な力もあります。連れていって差し上げましょう」
加奈はポポの意見に賛成な様だった。
「でも……」
「裕司様だって覚えがあるでしょう。子供だから自衛の術を考えるなんて馬鹿げていると、何度も大人の人に言われたではありませんか、でも裕司様はそれでも折れませんでしたわ。そんな彼等を説得されたではありませんの。大切な友達を守る為にって、もう二度と後悔しない為にって、私その時の事はしっかりと思い出せますわ。だって、その時から私にとって友達だった裕司君は、裕司様になったんですから」
加奈の言葉に昔の事を思い出す。
確かにそうだった。
それだけは譲れないと思ったのだ。
ポポもきっとあの時の裕司と同じ気持ちなのだ。
加奈が危ない目に遭って、解決した後に、何もしなかった事を後悔した裕司は周囲の反対を押し切って、力をつける事を選んだ。
どうしても守りたい物があったからだ。成したい事があったからだ。
だったらもう、こちらの答えは決まってしまう。
「分かったよ。ポポちゃんも一緒に行こう。でも無茶とかはしちゃ駄目だよ。危ない事も」




