第82話 夜闇の会話
アルケミストの町から一番近い町、イオの町へと向かった。
だが、やはり裕司達が無断でアルケミストに戻った事で、その街に避難していたラシェータやナジェルにこっぴどく怒られる事になっれた。
避難所となっている町のホールの中で、人々は集まって生活する事になったが、悪魔は未だアルケミストの町を壊して続けいる。
憑依召喚で呼び出された存在を元の場所へと戻すのは、並大抵の事ではない。
まず方法を探す事からはじめなければならないので、ホールの外に作った天幕で話し合う兵士達は、その対策にひどく追われている様だった。
「せめて、あたしの力がもっと強かったら」
ホールの外に出て、一人物思いにふけっている様子のコハクの元へと裕司は歩み寄る。
ポポと加奈はホールの中だ。
置いて行かれる形となったポポが拗ねたので、今はその相手を加奈がしている最中なのだ。
「コハクちゃん、大丈夫? ちょっと顔色悪いよ」
「平気よ。これしきの事で倒れる程やわじゃないわ」
「でも……」
コハクの表情は実際に見ると悪い、強がってみせているのは明白だった。
仲の良かった友達を昔に失くして、なおかつその後にできた友達すらどうなるか分からないのだ。
不安に思わない方が無理があるのかもしれない。
「前にクレハに、聞いた事があるの」
所在無げに立ち尽くしていると、コハクが話をふって来た。




