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アルカディアの魔法使い  作者: 仲仁へび
第七章

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第78話 時計塔に残された伝言



 辿り着いたのはアルケミストの町にある時計塔だった。

 その内部に入ったコハクは、地面に這いつくばってショックを受けている男性と、その横にある手紙に気が付いた。


「誰よ、あんた。いいえ、今はそれどころじゃないわ。それよりも……」


 コハクは手紙を拾い上げて読み上げる。

 そこに書かれた居たのは、あの悪魔が召喚される事になった理由についてだった。



――サイードへ。

 これを読んでいるという事は、私は無事に自分の体に悪魔を憑依させる事ができたのでしょう。

 本当はいけない事だけれど、最後にお別れを言いたくて、あの頃よく二人で出会っていたこの時計塔に手紙を残しました。

 私は私の信念を曲げる事が出来ませんでした。

 でも、貴方を敵として見る事はやはりどうしてもできない。

 だから、私は私自身が最良だと思う事を実行します。

 どうか、私の愛する貴方の手で、この私を倒してください。


 世界の敵となった私を倒す事で、貴方達はきっとこの世界に快く迎え入れられるでしょう。

 全ての罪は私が被ります。

 だから、どうか。

 人間もアルカミレスも、嫌わないでいて。

 彼らを排除しようなどと考えないで。

 全てをとは言えないけれど、せめて何も知らない人たちは許してあげて。

 そして、貴方達と共に歩く事を許してやってください。

 

 私は彼等のいる世界で貴方に笑ってほしいのです。

 さようなら、私の愛しい人。


 クレハより



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