第77話 悪魔
裕司達の視線の先に存在する巨大な召喚獣イフリート。
そのイフリートが町に何かしらの攻撃を加えようと身動きするのだが、その場に新たな召喚獣が表れた。
漆黒の肌に、頭部にある二本の角、そして背に生える大きな翼。
そこに現れたのは、おとぎ話に出てくるような巨大な悪魔だった。
「二体目、嘘でしょ!」
コハクが信じられないと言った様子で叫ぶが、その驚きはリシュリー達も同様だった。
「な、何あれ。あんなの聞いてない。ジャスティス、ねぇちょっと!」
「俺だって知らねぇよ。サイードは、イフリートの事しか言ってなかった」
「じゃあ、一体誰が」
交わされる言葉を考えるに、どうやら呼び出したのはジャッジメントの人間ではなかったらしい。
では、一体誰がと思っている裕司達の前で、悪魔は動き出した。
近くにいるイフリートを攻撃していく。
『オォォォ……』
そうして、地の底から怨霊たちが呻いているようなそんな苦し気な声を出しながら、ジャッジメントの呼び出した召喚獣と戦い始めたのだった。
開いた口から出た、青色の煉獄色の炎がイフリートに襲いかかる。
イフリートは体中から灼熱色の火を噴き出して、悪魔に殴り掛かろうとするのだが、近づく事も出来ない。
状況は、悪魔の方が有利だった。
イフリートは成すすべもなくやられていく。
ふと、悪魔が何か人の言葉を様なものを喋る気配がした……。
「と……けい、とう……とけ、い」
それを聞いたコハクがはっとしてその場から走り出す。
「時計塔? 聞いた事がある場所だわ。確かクレハが過去に……。まさかっ、あれはクレハなの!? 自分の体を触媒に悪魔を呼び出したって事!? でも、そんなはずは……! 一体どうして!?」
裕司達は慌ててコハクを追いかける。
「コハクちゃん、どうしたの!?」
「分かりませんわ。でもとりあえず追いかけましょう」




