第69話 隠れてた
アルケミストの町で戦闘が開始された直後。
町の中で隠れ潜んでいた裕司達は行動を開始しした。
「始まったわね、行くわよ」
裕司達は、初めから兵士達の協力をするつもりだったのだが、当の彼等からは断られてしまっていたのだ。
なので、どうしても協力したかった裕司達は、強引にでも先頭に加わるために、避難の指示を無視して町の中に隠れていたのだ。
途中まで共に避難していたラシェータ達にも無断で。
裕司は、この後の事を考えると肩を落とさずにはいられなかった。
「終わったら、きっと僕達怒られちゃうね」
「この後の事を考えられるなんて余裕なんじゃない」
ため息をついて述べるコハク。
「そういうわけじゃないよ。でもちょっと、申し訳ないなって」
「そういう事考えてるのが余裕なのよ、まったく。別にアンタ達にはこの町に義理も思い入れもないんだから、ついてこなくたって良かったのに」
その言葉に反論するのは加奈だった。
「確かにそうですけど、簡単に見過ごすには少し世話になり過ぎましたもの。このまま何もせずにいるなんて、私達の意地が許せませんわ」
「前から思ってたけど、あんた達ってほんっと物好き」
「あら、今更ですわよ」
裕司達はそんな風に話しながら移動するのだが、そのメンバーの中にポポの姿はない。
ポポには戦闘能力はないので、危険な事に関わらせるわけにはいかなかった。
なので、ラシェータと共に避難してもらっているのだ。
「音が大きくなってきたわ、近づいてきたわね」
走っている内に裕司達は、戦闘場所に大分近づいていた様だ。
魔法の音がよくこちらの耳に聞こえて来ていた。




