第61話 クレハとコハクの関係
コハクの問いかけにクレハは暗い表情になった。
「その事なんですが貴方達に話さなければならない事があります。少し時間がかかるので申し訳ないのですが、聞いていただけないでしょうか」
「水臭いわね。そんなの当たり前でしょう?」
当たり前の事を聞くなという態度のコハクは、先を話すように促すだけだ。
そんな二人のやり取りを見て、加奈が不思議そうに首をひねる。
「クレハさんって、とても立場があるお方ですわよね。何でコハクはあんな馴れ馴れしい態度をとれるんですの?」
クリスタルパレスところいう温室で兵士達に厳重に守られているクレハは、どこからどうみても間違いなくやんごとなき立場の人だった。
ポポはそんな目の前の二人を見ながら首を傾げる。
「ボク、よく分かんないけど。仲が良いのは、コハクもクレハも友達だからじゃないの」
「うーん、確かに……見てる限りは友達って言った方がしっくりくるよね」
裕司は、コハクとクレハのやり取りから、何度も会った事があるような気やすさを感じていた。
それは出会って少ししか話した事のない裕司達と比較すると、一目瞭然のものだった。
そんな会話を聞いたコハクが説明する。
「クレハがかしこまった態度はいいってあたしに言ってきたのよ。馴れ馴れしいんじゃなくて、親しいって言いなさい」
しかし腑に落ちなかった様子の加奈が質問を続ける。
「けれど、お二人に接点なんて無かったのではないんですの?」
「知り合ったきかっけ? それは、里が襲われてこの町に来た後に、このクリスタルパレスに呼ばれて、話し相手になってくれて言われたからね。外に出れない体だから退屈してるって」
「そうですの」
それでもなぜその相手がコハクだったのかは分からなかったが、無くなってしまった里の生き残りだという事が関係しているのかもしれない。
それを聞いたクレハが悲しそうに話す。
「共に育った故郷の人達を大勢なくした子がいると聞いていたので、傷ついていないか心配だったのです。実際に会ってお話をして力になれればと、そう思ったんですよ」
「そういう事」
つまりコハクとクレハは、里の事件があったから知り合った二人なのだろう。




