第57話 挑戦状
お昼ご飯を食べて戻ろうとすると、騒然としている一画があった。
それは掲示板の前だ。
人垣ができていて、その前にいる人たちは不安そうな顔で互いに言葉を交わし合っている。
不思議に思った裕司達は、その騒動の理由を知るために近づいていく。
「どうかしたのかな?」
「何か良くない事でもあったようですわね」
人垣の外から、掲示板を見つめてみるが、掲示物は何枚もあって、どれについて話しているのか分からなかった。
しかも、裕司達はこの世界の文字が読めないので、尚更だ。
唯一断片的な文字が読めるらしい加奈でも、距離があるせいか、ちゃんと読み取れないようだった。
仕方がないので、加奈が周囲にいる人たちに聞いてみる事にした。
「あの、何があったんですの?」
「ん、ああ。挑戦状が掲示板に張り付けてあってね」
「挑戦状?」
何でも、ジャッジメントと名乗る人間が数時間前に宣言をして、挑戦状なる髪をここに張り付けて行ったらしい。
同じような紙は町中に張られていて、張った当人の言葉によると、他の町でも同様の紙を掲示して回っているようだった。
裕司達は顔を見合わせて、話しかけた人に先を促した。
「その内容とは一体どんなものですの?」
注目を集めるからには、多くの人間に知ってもらいたいという事だろう。
裕司はそれが、良からぬ企みで無い事を願わずにはいられなかった。
だが、その思いはすぐに裏切られる。




