第55話 お昼
ゲームを終えて屋台に包み焼き肉を受け取りに行くと、長蛇の列が出来ていてびっくりした。
どうやら魔法学校で学んでいる生徒達が、お昼の放課になったんで、お腹を満たそうと外に出てきたらしい。
図書館に戻る時も、それらしいローブを羽織った少年少女達が、大勢歩いているのを見かけた。
だが、その際に少しだけ気になる事を聞いた。
何でも召喚魔法が上手くいかなくて、思ったのと違う召喚獣を召喚してしまう事故が相次いでいるらしい。
(僕達にも関係ある事なのかな?)
素人である裕司達には判断しかねる事だったが、後でコハクには伝えておこうと思った。
そうして、昼食調達をこなした裕司達は、元の場所へと戻ってきた。
だが、褒められるかと思って足取り軽く来たのに、裕司達はコハクに怒られてしまった。
「はぁー? 何考えてるのよ。この馬鹿っ! 信じらんない」
「うぅ、ごめんなさい」
怒鳴るコハクの剣幕はまるで鬼のようだった。
そんなコハクと裕司の間に立って、仲裁に入るのは、やはり加奈だ。
「食べ物の好みを伝えて置かなかった貴方が悪いんですわよ、コハク」
コハクはどうやら包み肉焼きが大嫌いだったらしい。
それで、裕司達が持ってきたものを見て烈火のごとく怒りだしたのだった。
そういえばと裕司は、食べられるものも聞かずに部屋を出てしまったと今更ながらに気が付く。
「ご、ごめんねコハクちゃん。知らなかったんだ」
「謝る必要はありませんわよ裕司様。裕司様はもう少し自分に自信を持つべきですわ。多少の事を間違えてしまうのは人間としてごく自然で、仕方のない事なんですから。いちいち気に留めていては、息が詰まってしまいますわよ」
知事困って肩を落とす裕司を、加奈は慰める。
「何よ、あたしが悪いって言うの? 本読めなかったんだから、ご飯ぐらいちゃんと買ってきてよって思うのは普通の事でしょ!」
「別にどちらかが悪いだなんて言っていませんわ。今回の事は不幸な事故、そうではありませんの? ささいな誤解で大ケンカだなんて、笑えませんわよ。思う様な収穫が得られなくて憤るのも分かりますけれど……」




