第54話 射的のゲーム
包み肉焼きの店の近くにある射的の店にやって来る。
大きさも品ぞろえもそれほどではなかった。
食べ物を購入する時の待ち時間を考えて、その暇つぶし程度になればと作られた物らしい。
並んでいる景品は、食べ物の匂いが移っても良いようにと考えられているのか、景品チケットの様な物ばかりだった。
裕司は一人分の代金を払って、一人分の玩具の銃と弾をもらう。
お金がもったいないので、二人分は払わなかった。
一人分の物を、二人で分け合って使用するのだ。
「初めはポポちゃんがやっていいよ」
「ホント? やったー。ボク頑張るね!」
ポポは意気揚々と、玩具の銃を手に取ってなれない様子で球をこめ、狙いをつける。
だが、打ち出した弾は見当はずれの方向へと飛んで行ってしまった。
全四回の二回やったが、全て外れてしまった。
「うーん、難しいなぁ」
ポポはくやしそうな様子で、裕司に銃を手渡す。
普段の他の事は自信のない裕司だが、射的に関しては例外だった。
(僕の一番得意な事だから、たくさん練習したから、これだけはうまくできるって気がするんだよね。どんな時でも)
「僕に任せてポポちゃん。ポポちゃんの分まで頑張って命中させてみるよ」
そう言って狙いをつけて、裕司は玩具の銃の引き金を引いた。
バン! バン!
二回とも、景品に当たって命中だった。
内容は食べ物の券で、二食分の食費が浮いたようだった。
「わぁ、すごいよユージ。あんなに小さな的に二回とも当てちゃうなんて!」
「えへへ……。ちょっと無駄遣いしちゃったけど、これならコハクちゃんも許してくれるよね」




