第52話 調べ物
そういうわけなので裕司達は、魔法学校の図書館へと赴いて調べ物をする事になったのだが……。
「うーん、この世界の文字って難しくてさっぱり分からないよ」
元から知っていたコハクや、頭の言い加奈は調べ物ができていたが、裕司や生まれたばかりのポポはさっぱりだった。
「だったら、あんた達はお昼ご飯でも買ってきなさい。ほら、これだけあれば足りるでしょ」
戦力外通告された裕司達は、コハクに昼食代が入ったお財布を手渡され部屋から追い出されてしまう。
いつもは裕司にやんわりとフォローの言葉をかけてくる加奈は、集中しているらしく夢中で書物を読みふけっていた。
「うぅ、力になれないなら、仕方ないよね。ポポちゃんお昼買いに行こっか」
「うん!」
肩を落としながらも裕司達は、仕方なくお昼ご飯調達係となって、町へと繰り出した。
図書館から出た裕司は、ポポと共に昼ご飯を求めて巨大な城の中を歩いていく。
だが、見慣れない景色に気をすぐに気をとられそうになる。
建物の中に、様々な建物や店があるというのはおかしな感じだった。
ポポは上を見上げながら喋る。
「これなら雨が降ってもこまらないねー」
「そうだね。傘を差さなくても良さそうだし……買い物とかも便利そう。あ、こっちには傘はないのかな」
裕司が口にした聞きなれない言葉に、ポポが首を傾げる。
「傘?」
「えっと、傘って言うのはね。雨に濡れないようにする道具なんだけど、うーん。丸くて棒がついてる……うまく説明できないや」
「そんな便利な物が世の中にはあるんだね。どんなのか見て見たいなぁ」
「うん、あったら見せてあげるよ」
この世界にやってきてまだ雨が降る天気になった事がないので、分からないが傘があったらポポにも見せてあげようと裕司は思った。
つい最近まで胎児と同じ状態だったポポはそれからも色んな事に興味を示して裕司に質問していく。
だが、この世界のことについて詳しくない裕司では満足に質問に答える事が出来なかった。
「ボクよりずっと早く生まれてるのに、ユージでも知らない事があるんだ」
「先に生まれたからって物知りなわけじゃないと思うよ。知りたいって思って、調べなきゃ分からない事もたくさんあると思うんだ、コハクちゃんみたいに」
「そっか、だからコハクは今調べ物をしてるんだね。それってえっと、べんきょうってやつだよね。べんきょうしなきゃ頭が良くならないんだ!」
また一つ新しい事を覚えたポポは楽しそうにはしゃぎながら、廊下を歩いていく。




