第51話 魔法学校
加奈が「それにしても」と通り過ぎていった召喚獣を見つめながら話す。
「ああいうのを呼び出すのは、誰にでもできる事なんですの?」
「まさか」と、呆れたように答えるのはコハクだ。
「そうとうな才能を持ってないとできないわよ。この町には優秀な魔法使いを育てる魔法学校があるから、きっとそこで通ってる生徒が呼び出して連れているのね」
「召喚魔法をこなせることが、優秀という事なんですのね」
「ええ、そうよ」
遠回しに自分も優秀だと告げるコハクは鼻が高そうだった。
だが、別の所に疑問を感じた裕司は尋ねる。
「でも、コハクちゃんは学校に通ってるわけじゃないんだよね。だったらこの町にはどんな用事で来たの?」
「それは強力な魔法を覚える為よ」
「強くなる為に?」
「ええ、そう。魔法学校に通う為には多くのお金が必要だけど、図書館は無料で開放されていて、調べ物をするのはタダなの」
だから、その学校の図書館で、強い力の魔法を調べて身につける……というのがコハクの目的だった。
「本当に貴重な資料は、厳重に管理されていて、倉庫なんかに保管されているそうだけど、そっちも何とか忍び込んだりしてみれないかしら」
そんな一言に、裕司は慌てて止めに入る。
「悪い事したら駄目だよ、コハクちゃん」
「不法侵入の手伝いなんて御免ですわよ」
加奈と二人がかりで反論されたのが不本意な出来事だったのか、コハクは口を尖らせながら言った。
「何よ、冗談じゃない」
(び、びっくりしたぁ。コハクちゃんの言う事って、あんまり冗談に聞こえないから困っちゃうな)




