第43話 復讐心の行方
気絶したジャスティスを燃え盛る家屋から話して様子を見る
幸いにもすぐに起き上がる気配はないようだ。
そのジャスティスに近づいて、無防備な姿を見下ろすコハクの表情は険しい。
離れた所で見ていたポポが近づいてきて少し怯えた顔をする。
「コハク、怖い顔してる」
コハクは、手に持った杖を握りしめて、何事かを唱えようとするが、裕司がそれを止めた。
「コハクちゃん、駄目だよ。もう相手には戦う力は残ってないよ」
「だからってこのまま何もしないでいろっていうの!? こいつは大勢の人を傷つけたのよ。あたしの里だって……!」
裕司はきっと目を吊り上げて睨みつけるコハクの様子に怯みながらも、語りかける言葉を続けていく。
裕司はここで話を終わらせてはいけないのだと、何となくだがそう思っていた。
「だからって、抵抗していない人を不必要に傷つけるのは違うよ。ボクはそんな事するコハクちゃんは嫌なんだ」
援護を出すように加奈も口を挟んだ。
「そうですわ。貴方も犯罪者の仲間入りになってしまいますわよ」
「それでもいいわ。こいつらだって抵抗してない里の人間を、この町の人間を襲ったんだから、やりかえされても文句は言えないはずよ。復讐しないと、何の為にここまできたのか分からない」
コハクが何のためにここまで頑張って来たのか、それをよく知っている裕司は言葉を失う。
(やりかえされても文句は言えない。確かにそうだけど、でも……僕はコハクちゃんにそんな事してほしくないし、やったら駄目だと思う)




