第40話 正義
ジャスティスが声を荒げていると、コハクが平坦な声で呟いた。
「こんな事、ちっとも正義なんかじゃないわ。人を苦しめて、悲しませる事のどこが正義なのよ。私は決めたわ。ここであんたを討つ。復讐よりもまず先に、ここにいる人達に為に、あんたを放っておくわけにはいかない!」
コハクはそうジャスティスへ指を突きつけた。
「はっ、やれるもんならやってみろよ! 受けてたってやる!」
ジャスティスは余裕の態度で、腕をコハクへと向ける。
炎の攻撃をするつもりだろう。
裕司は叫んだ。
「コハクちゃん!」
「分かってるわ」
コハクは、素早くその場を飛びのく。
一瞬遅れて、その場に火が灯った。
「呪文の詠唱がないから、魔法の発動のタイミングが読みづらい。やっかいね」
コハクは冷や汗を流しながらも、冷静に対抗策を考えている様だった。
「ちっ、さっさと燃えカスになっちまえばいいものを。なかなか素早い奴め。これならどうだ!」
ジャスティスはまたも続いて攻撃しようとするが、裕司達がそれを阻む。
また同じ事をさせるわけにはいかなかった。
「二度目も同じようにできるとは思わない事ですわね!」
「コハクちゃんは、傷つけさせない!」
加奈がこん棒で、近くにあった残骸を弾き飛ばしてジャスティスの腕に当てる。
その間に、裕司が銃でジャティスの足元を撃った。
(当てる事も出来たけど、どうしても躊躇っちゃうよ)
狙いを外したのは、この前の様に動物ではなく人間なので、できるだけ生身の体を傷つけたくはなかったのだ。
援護を受けたコハクはニヤリと笑みを浮かべる。
「中々息の合わせ方が分かってきたじゃない、その調子で頼むわよ」




