第33話 暇つぶしを探して
向かうべき次の町は、あらかじめ決まっている。
医療の町ホワイトエールのだ。
野を超え、山を越え、ちょっとした谷などもある気ながら町を目指した。
けれど、もう少しで着くというところで、暇になっただろうコハクが意地の悪い顔になって、階段話をし始めた。
「ホワイト・エールは医療の発展した町だから、病院がたくさんあるの。あんた達の世界にも、そういう話くらいはあるんでしょ?」
「そういう話?」
「でる、話よ」
何が出る話なのか分からないでいる裕司に、コハクは口の端を更に吊り上げて告げた。
「幽霊に決まってるじゃない」
「ひっ」
裕司は思わず悲鳴を上げて、加奈の後ろに移動。
そして、精一杯聞こえないように耳を手で押さえている。
お化けや心霊現象の類いの話が苦手な裕司には、それは耳を耳を塞がずにはいられない話だった。
それを見たポポは不思議そうに、コハクは呆れたような表情になる。
「どーしたの? ユージ。顔が真っ青だよ。体も震えてる。風邪なの? 変だよ」
「気にしなくても良いわよ、ポポ。そこにいるのは病人でも影人でもない、ただの臆病だから。まったく、男なのに情けないわね」
暇つぶしである怪談話が出来ないと見たコハクは、幻滅した様子でつまらなさそうにそう言う。
対して、加奈は特に気を悪くした様子はなくコハクの言葉に言い返した。




