第23話 レムナント
古代の町レムナント
寂しさを纏った古代遺跡レムナント。
静寂に包まれたその遺跡の中に人の影はなく、あるのは小型動物の姿と、長い年月をかけて生い茂った草木や花々だけだった。
町を張り巡らす様に流れている水路には、住み着いた魚の群れがいくつも存在しており、透明な水中の世界を悠々と泳ぎまわっている。
レムナントの町から人の姿が消えて長い月日が経ったものの、動物達にとっては、未だ住み心地の良い場所として有効活用されていた。
そんな町、レムナントにやってきたコハクは、周囲へと視線を向けている。
「コハクちゃん。ここは?」
「古代の町よ」
「えっと、それは前にも聞いたよ」
ずいぶん昔に人が済まなくなったという事情を聴いていた裕司は、別の事を尋ねたかった。
どうしてこの町に立ち寄ったのか、という言意味で問いかけたのだ。
コハクは「ああ」と気づいて付け足す様に言う。
「ここに来たのは、ちょっとした次いでよ。クレハ様に、前々から頼まれていた事があって。この町に枯れそうなマザーツリーがあるから、面倒を見てって欲しいって。あ、あったわ」
コハクは面倒臭そうに説明しながら、視線の先に見つけた大きな木の元へと走り寄っていく。
それは、ブルー・ミストラルでも見たような大きな木だった。
追いついた裕司達は、その木を見るが、生きているのか分からないくらいの惨状だった。
木の肌はボロボロで、葉っぱは一枚もない。
枯れていると言われてもおかしくはなかった。
だが、そんな木でも根元に近い場所はまるまると膨らんでいて、えんどう豆のような膨らみを裕司に連想させた。
そんな奇妙な木を見て、加奈がコハクに尋ねる。
「この木がどうかしたんですの?」




