第19話 狼使いの襲撃
(里を襲った人たちって怖い人なのかな。ここにいた人たちを皆、襲った人なんだから。でも、どんな人なんだろう。武器とか持ってるのかな。会っちゃったらどうしよう)
犯人が事件現場に様子を見に戻ってくるというのは、よくある話だった。
もしもの想像に、裕司は顔色を青くする。
「どんな理由があったら、こんな事ができるんだろう」
そんな風に裕司達がうでわ探しで知恵を絞りながら、里を襲った人間達の事に思いを巡らせていると、声が聞こえてきた。
「理由? 知りたいの人間。じゃあ教えてやろーかぁ。あははっ、人間もアルカミレスの命もゴミ同然だからよっ!」
裕司達と同じくらいの年齢の少女の声が聞こえた瞬間、その場に狼の獣が現れる。
それらを見て、コハクが声を上げた。
「気配を断つ事に優れたハイドウルフ! こいつらがいるって事は、あの日里を襲った狼使いの人間が近くにいるって事ね、出てきなさい!」
怒りの声を放ち周囲を探るのだが、返って来るのは声だけで、それらしい姿は現れない。
「やーよ。汚らわしいアンタ達の目の前に出ていくなんて御免だわ。そこで狼さん達に食い頃されちゃえばいいのよ!」
その声と同時にハイドウルフが行動。
裕司達へと襲い掛かって来た。
コハクがそれを見て、杖を構え、魔法を唱えようとするが……。
「ちょうど良いですわ。コハクは下がっていてくださいまし。私達の実力見せて差し上げるいい機会ですもの。ねぇ、裕司様!」
「う、うん!」




