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アルカディアの魔法使い  作者: 仲仁へび
第二章
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第17話 ブルー・ミストラル



 湖の中を進んで数分。

 辿り着いたのは、焼きつくされた里の景色だった。


「ここがコハクちゃんの故郷」


 生きている者の姿はない。

 犬や猫などの動いている生物の姿もどこにもなかった。


 目の前の景色に裕司が絶句していると、顔を俯かせてコハクが拳を握りしめた。


「あいつ等が襲って来たのは、夜よ。それで……子供も老人も皆、里の人間は全てやられてしまったわ。生き残ったのは私一人だけ。こんな事、許されない事だわ」


 コハクの拳は、抑えきれない怒りの感情で震えている。


「行くわよ」

「どこへですの?」


 コハクの当然の様な問いかけに、加奈が首を傾げる。


「埋められた腕輪を探しに行くのよ。私の親友が、サプライズでこの里のどこかに埋めたはずなんだけど、場所を詳しく私に教える前に……、死んじゃったのよ」

「それは見つけなけばいけませんわね」


 最後の瞬間にコハクとその人が何かやり取りを交わしたのか、そもそも近くにいたのかは分からないが、そういう事なら裕司達が協力するしかなかった。


 見当を付ける為に、加奈は疑問をぶつけていく。


「場所の心当たりはありまして?」

「あの子から聞いていた事は、確か大きな木の近くに埋め立てたって言ってたわ。あとは太陽が沈む方角がヒントだって」

「大きな木、そして太陽……西ですのね」


 里の景色を見まわしてみる。

 大きな木はあった。


 この世界でも太陽は東から昇り、西に沈むので木の西側に埋められているのかもしれない。


「あそこにあるのかな」

「たぶんね。とりあえず、あの木の近くって事は分かってるんだから、ちゃっちゃと向かいましょう」



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