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アルカディアの魔法使い  作者: 仲仁へび
第二章
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第16話 湖



 数日かけて移動して裕司達が辿り着いたのは、大きな湖の前だった。

 だが、その周囲には何もない。


 里は焼かれたと聞いたが、建物があった痕跡一つすら見つからなかった。


「ブルー・ミストラルはここよ」

「え、でも……何もないよ」


 到着したとでも言わんばかりのコハクに、目の前の景色を見た裕司は当然の反応を返す。


 加奈が、何かを思いついたとでも言う様な表情をコハクへと向ける。


「まさかこの湖の中、だなんて言い出すのでは……ありませんわよね」

「良い勘してるじゃない。そのまさか、よ」

「本気で言っているんですの?」

「ええ」


 一歩前に出たコハクは、杖を取り出して呪文を唱える。


「ムア・ユークト!」


 すると湖の水面が光り輝いて、薄い青の色が透明になり始めた。


「この湖の水は特別なの。溺れたりしないから、付いてきなさい」


 コハクは自慢げにそう言って、湖の中へとざぶざぶ水をかき分けて入っていってしまう。


 裕司と加奈は顔を見合わせた。


「だ、大丈夫なのかな……」

「彼女が前を進んでいる限り、私達はとりあえず大丈夫だと思いますわ。進みましょう」

「それはちょっと、ずるい様な気もするけど」

「適材適所ですわ。未知のものに戸惑う事は、人間として当然の事。溺れたら後で私達が回収すればいいだけの事ですわね」

「それもちょっと……」


 加奈の現実的な物言いに、裕司が気後れしていると、その会話が聞こえていたらしいコハクが、怒鳴ってきた。


「聞こてるわよ、ごちゃごちゃ言ってないで、さっさと来なさい!」



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