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アルカディアの魔法使い  作者: 仲仁へび
第二章
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第14話 友達でいてやって



 早朝の時間だからか、道を歩く人の影はまばらだった。


 裕司達が家の前に立つとラシェータとナジェルに心配そうな顔をされる。


「コハクちゃんも貴方達も、どうか気を付けてね」

「何かあったら、遠慮なくわし等に言うのだぞ」

「分かってるわ。ありがとう、二人共」


 その言葉を受け取るコハクは、素直に頷いて二人と順に抱擁を交わしていった。


 そして、ラシェータは裕司や加奈にも声をかけていく。


「貴方達も、大変だろうけど。しっかりね」

「は、はい」

「ええ、分かりましたわ」

「コハクはちょっと気の強い所があるけれど、優しい心だからどうか友達でいてやってね。あれで寂しがり屋なのよ。召喚獣じゃなくてお喋りができる人間が来てしまったという事は、そんなあの子の心の表れだと思ってるわ。見放さないでいてやってね」


 そこまで言ったところで、顔を赤くしたコハクが割り込んでくる。


「な、なに言ってるのよ、ラシェータおばさん。そんなわけないじゃない。私が寂しいとかありえないわ。これまでだって一人でやってきたんだから、ずっとこれからも一人でも平気よ」

「あらあら」


 だが、そんな風に詰め寄るコハクに対してラシェータは大人の余裕であしらうのみだった。


「もう別れの挨拶は済んだんだから、さっさと行きましょう。時間がおしいわ」


 怒った態度で歩き出すコハク。


 それを慌てて裕司達が追いかけていく。


「あ、待ってよコハクちゃん」

「まったく、あまり先に行かれると困りますわ。私達には土地感がないんですのよ」



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