第11話 これからの事
部屋の中を数分かけて見まわった後は、
裕司は、盾。
加奈は、昆。
……の武器を選んだ。
その後は、おばさん達に昼食をごちそうになってから、コハクに旅の計画を教えてもらう。
「という事で、まずこっちの街道を抜けてブルー・ミストラルの里へ向かうわ。そこで、探し物をしなくちゃいけないのよ。その後は、臨機応変。憎き仇の情報が入れば、そこが地獄の底だろうと天国だろうと、探しに行くわよ」
「どちらも死んでしまってますわね」
「何か言った?」
「いいえ、別に」
突っ込みどころのある説明について小声で指摘した加奈だが、コハクに問いかけられて面倒だと思ったのか、無かった事にした。
裕司は別の事を気にかける。
「えっと、聞きたいんだけど。コハクちゃんが復讐したいその仇の人って一体どんな人なの? たぶん何か悪い事、やった人なんだよね」
その瞬間、コハクは何とも言えない表情になった。
怒りと悲しみと、悔恨と悔しさ。
その他もろもろの複雑な感情を宿して、そして押し殺すような調子の声で言葉をつむいでいく。
「奴らは、アルカミレス差別派の人間。相手は個人じゃないわ。ジャッジメントという組織よ。私のいた故郷の里を、ブルー・ミストラルを焼いて……家族や親友を殺した極悪人よ」