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陰猫(改)のオリジナルや二次創作の短編

次(明日)いってみよう!

作者: 陰猫(改)

「山田!ここ、修正しとけって言っただろ!?」

「・・・すみません」


 俺は社長に叱られ、平謝りすると修正点を直す。


 俺の名は山田太郎。


 いやになる位、地味な名前である。

 子供の頃は例文などでこの名前が使われる度に冷やかされたものだ。


 そして、そんな環境のせいか、俺は根暗で陰キャな存在になってしまった。

 おまけに現在の社会ではコロナで人間関係もギスギスしている。


 良い事なんて一つもない。


 そんな風に考えながら、今日も残業で疲れた身体を休める為にコンビニで夜食を買う。

 明日も会社かと思いながら、重い足取りで帰宅する独り暮らしの俺に「お帰り」なんて言葉もない。

 ただ、帰って寝るだけだ。


 ーーと、そこで缶コーヒーがない事に気付く。


 恐らく、買い忘れたのだろう。


 面倒ではあるが、コーヒーを飲んで一息吐くのがルーティンになっているので仕方なく、近くの自販機で缶コーヒーを買いに家を出る。


「フフン♪フン♪フン♪フン♪」


 ふと、見ると某お笑いグループの替え歌を鼻歌で歌う黒髪の女性と遭遇する。

 女性と云うにはまだ大人の色気よりもあどけなさがあるので恐らくだが、学生だろう。

 最近の学生は相変わらず、社会的危機感が薄いらしい。


 これからの事を考えるとこの子も今に苦労するんだろうなと思ってしまう。

 我ながらひねくれた考え方だと自覚しつつも俺は自販機のコーヒーを買う為に彼女に近付く。


 俺に気付いたのか、彼女は驚いた様子で此方を見ると軽く会釈してから、そそくさと去って行く。


 そんな彼女とすれ違ってから自販機にコインを入れ、何のコーヒーを飲むか悩む。


 そこでふと、先程の鼻歌が気になり、俺は持っていたスマートフォンで『缶コーヒー 某お笑いグループ』で検索して見る事にした。

 するとあのお笑いグループの替え歌の替え歌に流れ、俺は思わず、笑みを浮かべてしまう。


 明日は今日より笑える筈さ、か・・・。


 本当に良い言葉だ。


『次、いってみよう!』


 こんな短いコマーシャルの中にこれだけ深いメッセージが籠められている。

 俺も今日より笑えるだろうか?


 そう云う世界を俺ーーいや、俺達は作っていける。

 そう思えたら、少し前向きになった気がする。


 俺もお笑いグループの替え歌を鼻歌で歌いながら、自販機で缶コーヒーを買い、あの頃の動画をネットで見ながら1日の疲れを取る。

 どんなに大変でもーーいや、大変だからこそ、人は報われても良いだろう。


 それこそ、明日は今日より笑える筈だ。


 このコーヒーとすれ違った名前も知らない彼女に感謝しつつ、俺は明日と云う次にいってみよう。

名前は出しませんが、貴方達、お笑いグループと出会えて良かったです。

三時代に響き渡る笑いをありがとうございました。


そして、缶コーヒーの某メーカーさんもリスペクトをありがとうございます。

これからも心を揺さぶるCMに期待しています。


1ユーザーとして改めて感謝を捧げます。

本当にありがとうございました。


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