表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

52/82

第52話:第1章エピローグ

 ボロン冒険者ギルドが《冒険者ギルドランク特別昇格試験》のチャンスに盛り上がっているころ。


 王都のとある地下室、数人の者たちが集まっていた。


「先日の冒険者ギルドオーナーを使った策は、どうなった?」

「情報によれば《上級魔族》の召喚には成功したが、策は失敗に終わったらしいぞ」


 彼らが話をしているのは悪徳経営者リッパーの事件について。

 《王国竜鎖騎士団》が隠匿した極秘情報を、自由に引き出せる身分の者が集まっているのだ。


「《上級魔族》を呼び出せて失敗じゃと? どういうことだ⁉」

「なんでも、何者かが上級魔族を打ち倒したらしいぞ」

「「「な、なんだと⁉」」」


 彼らが驚くのも無理はない。

 リッパーに渡した《魔族召喚石》は特殊なもの。召喚された上位魔族は通常攻撃では倒せない存在なのだ。


「まさか、《王国竜鎖騎士団》がの介入があったのか⁉」

「いや、報告書によれば、それはない。なんでも《王国竜鎖騎士団》が到着した時には、すでに討伐された後だったという」

「それでは一体誰が、上級魔族を⁉」

「まだ調査中だが、どうやら“ボロン冒険者ギルド”という弱小ギルドが関係しているらしいぞ」

「“ボロン冒険者ギルド”だと? 聞いたことがないな。だが、早急に調査する必要があるな」

「ああ、そうだな。我々の至高なる計画を成功さるために……」

「我らが“偉大なる神”の復活のために……」

「我ら《暗黒邪神教団》の邪魔をする者は、誰であろうと全て排除を……」


 こうしてフィンたちの知らないところで、強大な権力を持つ教団が動き出す。ボロン冒険者ギルドにも魔の手が向けられるのであった。


 ◇


 ◇


 ◇


 更にボロン冒険者ギルドを脅かすに驚異の存在が“もう一人”いた。


「――――くっ、せいや――――! はぁ、はぁ、はぁ……ようやく封印から脱出することができたわ!」


 その者は褐色銀髪の麗しい容姿の女性。怪しげな意匠の服に身を包んだ術師だ。


「ん? フィン……アタシの可愛い息子はどこ⁉」


 女はフィンの師匠だった。

 そして彼を幼い時から育てきた、母親代わりでもある存在だ。


「この感じだと……どこか遠くに逃げたのね⁉ それにしてもこのアタシすら封印するとは、フィン……アタシの愛息子、《魔神術式》の腕を上げたわね!」


 だが二年前に人里に働きに出ようとしたフィンと、彼女は大喧嘩。

 逆に封印されてしまったのだ。


「今フィンはどこに? ん……この方向は人里か。ここはたしか“王都”って人族が呼んでいる街か⁉」


 彼女の《魔神術式》は尋常ではない。一瞬でフィンの独特の魔力を発見する。


「早くフィンを連れ戻さないと大変なことになるわ! でも人族がたくさんいる街は“人酔い”が……うっ、思い出しただけでも吐きそう。でも今は愛息子フィンの危機! 急いで連れ戻さないと!」


 ――――彼女の名前は《魔神ララエル》。


 かつて魔王や竜王を倒し世界を救ったり、逆にやり過ぎて破壊しそうになったこともある危険な存在だ。


「待っていなさいよ、可愛いフィン……ママが連れ戻しにいってあげるから!」


 こうしてフィンの元に更なる強大な脅威が迫るのであった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 「「今回のエピローグ第1章も無事に完結! 第2章は現在準備で連載再開は10月上旬になる予定です。 その前に閑話や設定集なんかも投稿するかも。」」 その前に誤字脱字の修正だろ・・・
2020/09/19 03:16 退会済み
管理
[一言] 暗黒邪神対魔神? 大怪獣決闘の予告ですかね?w
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ