表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Brightness  作者: mimuka
3/4

神楽のもう一つの顔

「はぁ…」


「何重いため息ついているんだ?」


とある地下ライブスタジオの控え室で、オレは深く息を吐いた。


「そうよ、カグラ。せっかくの美少女が台無しッスよ」


マイがからかうように言ってきた。


「アラ、マイちゃん。憂いの美少女ってステキじゃないですか」


合流したセイカが本気なのかふざけているのか分からない顔で言いやがった。


「…カグラ、今日も…かわいい」


同じく先程合流したソウコが、オレに後ろから抱きついてきた。



「ありがとよ」


言葉とは裏腹に、不機嫌オーラを振り撒く。


実はオレ達、バンドをしている。


しかも素人ながらに結構人気。


何せオレ以外の全員が美女で美少女だからな。


シックなゴスロリ衣装を着て、メイクをすると、いつもの女子高校生姿からは想像もつかないほど大人びて見える。


だが…!


「何でオレまでこんな衣装とメイクなんだよ!」


耐え切れず、オレは叫んだ。


今のオレの格好は…女装だ。しかもしっかりゴスロリ衣装で、メイクもカツラもバッチリ。


…オト姉に押さえつけられ、マイ・セイカ・ソウコの三人に変身させられた。


思い起こせば半年前。


高校二年に上がったばかりの春。


元々音楽の才能があったソウコが、バンドをやりたいと言った。


おもしろそうだとオト姉が言い、残りの二人もまた賛同で…オレ1人が反対するワケにもいかなかった。


なのに…こんなことになるなんてっ…!


「何でオレまで女装…」


「オレ『まで』とは何だ。他はちゃんとした女性だぞ?」


オト姉が、オレの鼻を軽くつまんだ。


「おっオト姉は普段、女性らしい服装しないじゃないか!」


「舞台衣装だろうが。いい加減、諦めろ」


好きに言いやがってー!


…でも反論すると、とんでもないお仕置きが待っているので、心の中で秘めておく。


「にしても、不愉快だな」


オト姉から不機嫌オーラが出始めたので、全員が注目した。


「今日、私達は前座扱いか。人気が低迷しているワケでもないのに…。しかもメインはヤツらだと」


「そうッスねぇ。前のイベントではあたし達がメインだったのに」


マイが険しい表情になる。


「まあまあ。たまには他の方にも花を持たせてあげないと、可哀そうじゃないですか」


「………むぅ」


セイカとソウコからも、黒い(暗い?)オーラが立ち上る。


「それもそうなんだが…今日のメイン、知っているか?」


オレも含め、全員が首を縦に振る。


「【SPARK】(スパーク)だそうだ」


一気に女子四人の目付きが悪くなる。


オレ達のバンド・【Brightness】(ブライドネス)の、ライバルバンドだ。


ちなみに向こうは男だらけの5人組。


こっちは一応…女の子だらけの5人組で通している。


結成されたのも、人気が出始めたのもほぼ同時期。


そのせいか、二つのバンドは互いにライバル心バリバリだった。


向こうも向こうで、イケメン揃い。


しかもお互いにさまざまな系統の歌を作れるもんだから、もう火花が目に見えてしまうほどだ。


…まっ、コレがマンガやアニメの世界だったら、お互いのバンドの誰かと誰かが恋に落ちるとなるんだろうけど…。


生憎とオレは男。


そしてお互いに男女の関係を超えたライバルだ。


…恐ろしいほどの殺意を、お互いに持っているところが恐ろしい。


オレはと言うと、口を開いてボロを出さない為、あんまりしゃべらないようにしている。


オト姉さんの後ろに隠れるようにひっそりとしている為、あちらとバチバチしたことは一度も無い。


まあ…冷やかされたことは何度もあったが…。


とにかく! この二つのバンドの仲は険悪。


しかし客を呼ぶ為に、このライブハウスは何かと組み合わせたがる。


前回はオレ達がメインで、あちらが前座だったからな。


客を盛り上げさせる為とは言え、恐ろしい組み合わせだ。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ