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最強で理不尽な巫女姫  作者: 傘流 正英
6/12

桜の木の妖精なのだ

目を開けると私をのぞき込む人間がいた。


「お姉ちゃ~ん。このチビ助起きたのだ~」

「こら~!誰がチビ助だだれが」


やはり私のことを言ったのだろう、思わず反応してしまった。


「あんた、あたしを誰だと思ってんの・・・」


あれ、あたしっていったい何者?

それに、ここはいったいどこなのよ~!


「知らないのだ。ただの弁当泥棒ではないのか?」

「ちが~う。あたしは妖精」


そうだあたしは桜の木の妖精。


「妖怪ではないのか?」

「ちが~う。ぜんぜんち・が・う」

「そうか。まあいいのだ。起きたならさっさと帰るがいいのだ」

むかっ

なんだこいつ。

えらそうに。

それにしてもなんであたしはここに寝てた。

う~ん・・・

そこへかすみが現れた。


「おきたのね。それで体はなんともない?」

じ~っ

「な、なに?」


なんか酷い事こいつにされた気がする。

ダメだ思い出せん。

それにしても・・・おなかすいたよ~。


「ねえ。ねえっば」

「なあに」

「おなかすいた」

「わかったわ。今すぐ持ってきてあげる」

「お姉ちゃん。あたしもお腹減ったのだ」


かすみはちらっと葉月の顔を見て言った。


「あっそう。でもお弁当あれだけ食べたからダメ」

「え~」


そして、しばらくするとかすみは料理を持ってきた。

すると、妖精はかすみの顔と料理を交互に見ている。


「ひっ!思い出した。あんた、あたしを殺そうとした女だ。いったい何の恨みがあってあんなことしたのよ」

「アッ思い出したんだ。ごめんなさいね。成り行きでああなっちゃったのよ」

「ごめんで済むか~!死にそうだったんだぞ」

「おいしいもの食べさせてあげるから、ゆるしてちょうだい。ね」

「おいしいもの・・・」


その時料理の香りが要請に届いた。

!!いいにおい!!


「わかった。ゆるしてあげる。だから、おいしいもの食べさせてよね」

「はいはい」


妖精は4~5歳の子供の体から、手のひらに乗る程度の大きさになっていた。

妖精はかすみが作ってきた料理を堪能している。

それを葉月は指をくわえて見つめる。

しばらくすると、妖精はお代わりを要求してきた。


「うん、おいしい。あんたお料理じょうずだね」

「そうかな、ありがとね」


しばらくすると、またお代わりを要求してきた。


「だいじょうぶなの。そんなにお腹膨らませて」

「らいじょぶらいじょぶ。こんなごちそう今度いつ食べられるかわからないからね」


妖精のお腹は今にも破裂しそうなのを見てかすみは提案した。


「また今度来た時に作ってあげるから、今日はここまでにしなさい」

「えっ、また来てもいいの?」

「いいわよ」

「わかった。またこんどにする」


それからというもの妖精は、毎日のように三神家に通っている。


「きょうもきたよ~」

「おっ、今日も来たのか。図々しいチビ助だな」

「チビ助言うな~!!あたしには『さくら』という名前があるの!」


妖精はかすみに名前まで付けてもらっていた。


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