第2話 剣技
倒したオークの死体処理で村全体が動いてる時
カイルはキラスに用があり立ち話をしていた
「で、話って?」
カイルは満面の笑で明るく言った
「実はですねキラスさん。自分も能力開花したんですよ!」
「お、そりゃ良かったなぁ!ちなみに、どんな能力だったんだ?」
「能力は【無傷】です!さっきのオークの攻撃を何度も受けましたが、痛みもなく擦り傷すらありませんでした!」
「そんなのがあるのか…」
キラスもダメージを受けない能力を聞いたことがなかったらしい
ここ一番の驚きだと言わんばかりに目を開いていた
「それで、お願いがあるんです」
「お願い?」
「自分に剣技を教えてください!」
「ん、いいけどなんで剣技だ?」
「自分は防御が桁外れに特化してるかわり、攻撃は微塵も変わってませんから。少しでも戦いが出来るようになりたいな、と」
「なるほど。いいだろう」
「ありがとうございます!」
剣技を教えてくれると決まり、テンションが上がっていた。
次の日から練習が始まる。それまでに軽く予習でもしようかな
その晩は予習に使われ睡眠をあまり取らなかった
次の日
早速、剣技の練習が始まった。刃のない剣を渡されまずは素振りをした。
実に暇だ。剣は少し重いけどそこまでじゃない。
剣技を身につけたら、いつか立派な騎士とかになるのもいいかも。世界を守ったるー。みたいな。
アホな考えをしてるうちに素振りは終わった。
「今からは実際に剣を交えて戦うぞ」
両者共に剣を鞘から抜き取り、構える
そして、慎重に近づく…と思いきやカイルは特攻していた
「おうぅぅらぁぁああ!」
カイルの剣は勢いよく振り下ろされる。
キラスはその剣を華麗にかわす。カイルは再び剣で攻撃を試みる。
しかし、キラスはその攻撃を剣でなぎ払い反撃をした。
キラスの剣がカイルの喉元に当てられた。それは、実に早技だった。
重い剣をそんなに早く動かすことはそう出来ない。
「っ!」
「…ほい、終わり」
戦いは一瞬で終わった。本当の争いなら今頃カイルの首の皮は繋がれてない…が
「何言ってんの、キラスさん。俺は【無傷】だから、攻撃は一切食らわないよ。たとえ、キラスさんの【連斬】だろうと、ね。だから、終わりじゃないよ」
屁理屈の様に聞こえたが実際にそうだ。
恐らくカイルは戦いで死ぬことは無いだろう。
しかし、攻撃は牛の方が強い。しかし逆に今教えている剣技が上手く身につけば…こいつは。
キラスは今後の成長が楽しみになり心の中が踊っている。
「ところで、俺はお前の能力を見た事がないんだが」
「あ、そうか。じゃあ、見せるね」
そう言ってカイルは1度小屋に戻り、ナイフを取り出してきた。
そして、取りだしたナイフを首元に当てる。
「それ、流石に危なくないか?」
「大丈夫だよ」
そして、ナイフを躊躇なく、勢いよく引いた。
「…っ」
「ひひっ」
ナイフは確かに首元で勢いよく引かれていた。
本来なら首から多量の血が出てるだろう。しかし、一滴も出てない。それどころか傷すらない。
本人は笑っているが、キラスは気づいた。
この能力、【無傷】は恐ろしい能力だと。