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リアル脱出彼女  作者: いちの くう
2・修学旅行への進出
13/15

2-8 閉じられた箱の開錠

「えーと、この箱にダイヤルキーがあるので、この4つの謎を解くと4ケタの数字になるはずです。ということで、各自解けそうなものから手をつけていきましょう」

 真哉の言葉に夫婦で参加している夫の方が先に動いた。

「この1位、2位とかって化学の表じゃないかな。金銀銅とかでしょ?」

 テーブルの上には色々な紙が置かれている。しっかりと整理しておかないといつのまにか別の紙の下敷きになっている事があるので注意が必要だ。

 元素記号表が見つかり、それぞれを確認すると11族の縦一列に3つが並んでいた。そして番号が若い順に銅、銀、金となっている。紙に書かれている通りだ。

「じゃあ、番号を全て足すわけだから銅、銀、金の番号である『29』、『47』、『79』を足して『155』ですね」

「よし、1つクリア。あとは他の2つだな」



「仲間外れ……月は地球を回っていて、太陽・土星・火星は太陽とか……?」

「曜日……も平日とか休日も関係なさそうだし……」

 それぞれが意見を出すがどれも決定打に欠ける。

 これだけ情報が少ないと、既にこちら側に関係する者が紛れているのではないか、1つずつ髪を確認していきながら見ていった。

「えーと、漢字が関係している……漢字…………」「あっ」

 一緒に見ていた真子が先に声を上げた。

「ほら、これって……」「おぉ、なるほど!」

「これですよ。この『煙草』のやつにありました。この漢字に火、土、日はあるけど月はない。それで考えると、東西南北の中で使われているのが『西』だけなんです」

「なるほどー。それなら通じますね。もしかして数字が関係しているってことは2×4=8ってことかな?」

「あー、きっとそれだよ」

 女子大生のヘルプもあって答えは『8』になった。



「と、残るはこの『テスト』か」

「3文字だけって……ヒント少なすぎだし」

「だってこれ全部テストですよね?」

「だよねぇー」

 確かにそうなのだが、もちろん何かしらの意味がある。一番情報量が少ないヒントだ。

「迷路に『て』と『と』はあるけど『す』はないんですよね……」

「クロスワードにも『す』とか文字がないからなー」

 完全に行き詰っていた。

 真哉も考えてみたがさっぱりわからない。テストという広い意味を持つ言葉に考えを絞ることができない。ただ、これが4ケタのダイヤルキーの鍵であるなら『155』と『8』が出ているので、4ケタになるのは推測できた。繰り上がりを考慮して『900』などもあるのだが。

 あれだけ順調であったチームの勢いがここで止まった。


 そんな時に現れたのは巡回しているスタッフだった。


 スタッフは一瞬でチームに漂う淀んだ空気を感じとり、ヘルプに入った。

 基本的にSTRAPのイベントは成功率が高くない事でも有名である。解きごたえのある問題に挑み、解くことで生まれる快感を大切にしている。

「変換した方がいいですよ」

「変換?」

「このままでは解けませんからね」

 それだけ言ってスタッフは去っていった。

「変換……」

 4ケタの可能性を考えていたが、だとすると4文字になるのが摂理だ。変換ということは試験とか言い方を変えるかひらがなや英語に……。

 真哉がひとつの可能性に出会った。その検証のためにあの紙を……真子とかぶった

「あ、もしかして」

「え、まーくんも?」

「俺の記憶が確かなら……テストはTESTで、この覆面算の数字を利用すると『8498』にあなる。それで全部足すと……『8642』でどう?」

 一番箱から近くにいた女子大生がその番号でダイヤルを合わせて――

「開きましたー!」「やったー」

 ようやく箱が開いた。そして同時にアナウンスが響いた。


 50分経過――


 つまり残り10分。これでまだ2段くらい問題があれば絶望的な時間だ。

 願う真哉。そして箱から取り出されたのは1枚の紙。広げられた内容に6人が注目した。

挿絵(By みてみん)

「……最終解答用紙。ということはこれで最後か」

「あと10分ですよね。間に合うかな?」

「……それにしてもわけわからなすぎる」

 期待と不安が混ざった。


(確実にこれが最後の問題です。そしてヒントはこの1枚の紙のみ。全て解くことはできるでしょうか?解答は次回に)

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