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怠惰

 さてさて海を泳ぎ始めておよそ3時間、ようやく目的地が見えてきた。ここの海は船などを使うといろいろ面倒なことになるので泳いでくるしかないのだが本当に面倒だなと思ってしまう。

 まあそんなこんなでついたのだが昔来たときとまったく変わっていないのを見てここに彼がいることを確信する。

 まあこれで無駄足にならずに済んだことを喜べるのだが問題は彼を見つけることじゃあなくて彼に働いてもらうことだからなあ、いや本当に働いてくれればいいんだけどね。




 そしてその島を歩き始めて1時間、この島に仕掛けられていた罠を解いていたらたった50メートルほど進むのにそれほど時間がかかってしまった。

 そして目的の場所に隠蔽の魔法がかかっていることを確認してからその場所を吹き飛ばすために『黒札』を使う。


「《紅龍爆進》」


「《怠惰の極み》」


 そうして僕の放った術式はあっさりと、まるでロウソクの火がいきなり消えたかのように消えていった。


「いったいだれかな?こんなひどいことをするのはさぁ」


 隠蔽されていた先から聞こえてきたのは、いや聞こえてきたと思える音はその意味を伝えはするが若いのかおいているのか男なのか女なのかがまったく判別できない音だった。


「あれぇ?そこにいる人を見たことがあるような気がするけど誰だっけぇ?」


 そう言いながら出てきたのは黒い人だった。これは肌が黒いとか服が黒いとかではなくてそもそも肌も服も見えていない。そこだけ夜であるようなものでそもそも光がその人に対して働いていないのだ。


「どうもお久しぶりです、雪白 透と申します」


「ああー、最後の雪白かぁ。久しぶりだね元気してたぁ?」


「ええ、元気ですよ。そちらもお変わりないようで安心しました」


「それでぇ?いったい何をして欲しくて来たんだぃ?」


 そこら辺は見抜いてくるか、それじゃあ素直に言うとしようかな。


「実はですね僕の知り合いが命を対価にする魔道具によってかなりの寿命を失いましてそれに対して少々手伝っていただきたいのです」


「んんー?寿命に関してはできることはないって知らなかったけぇ?専門は減衰なんだよぉ」


「ええ、ですからあなたに頼みたいことは強欲の居場所を突き止めてほしいのです」


 その言葉を言った瞬間に僕の周りが黒く染まった。こうなると予測していたために予め使っていた結界魔道具も停止した。

 そんな空間の中僕にかけられた言葉はとても安心できるものではなかった。


「どういうことなのか最初から最後まできちんと説明してよねぇ」


 ………僕は学校に帰れるのかな?

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