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白の独断 理解不能な急展開

 あーあ茫然としちゃって、だから言いたくなかったのにさ。好奇心は猫をも殺すっていう言葉を知らないんだろうか。

 まあこの場合は好奇心がなくても10年たてば死んじゃうんだけどね。

 とりあえず茫然としている先輩を正気に戻してどうやってその魔道具を手に入れたのかを聞こうか。


「御堂先輩、事情が分かったところで魔道具を見せてください。うまくいけばいくらか寿命を取り戻すことができるので早くしてくださいね」


「本当か!!こ、これがそうだ」


 なんかあっさりと信じたなてっきり僕の言うことなんて信じないといわれるかと思ったのに………ああそうか校長先生で僕の言葉が正しいと判断したのか、納得。

 今回は疑問の答えが出たので少しすっきりしながら御堂先輩が出した魔道具を見る。


 そして体中の血が一気に冷めた。


 いや当然ただの比喩だけど少しくらいは本当に冷めたかもしれない。なんといってもいま僕の目の前にあるのは聖剣と並ぶ正体不明の魔道具の一つ『強欲の取引証明書』だった。

 聖剣に並ぶ大罪・美徳シリーズの一つ、僕も見るのは初めてだがその魔道具についている刻印、そして『真実の聖剣』で見た結果からそれが何かを理解する。


「ど、どうだ俺は助かるのか!?」


「正直に言ってかなり難しいですね。今までに何度も使われたせいか先輩と強固なラインのようなものができています。これを断ち切るのは相当難しいですし断ち切った後寿命を取り戻すのは不可能に近いです」


「そんな………」


 あまりのショックに膝をつく御堂先輩、僕も同じ学校の先輩が30代手前で寿命でなくなるというのはあまり気分のいいものではないのだけどできないことというのはあるものなのだ。

 そして先輩の悲しみを無視してでもやらなければいけないことも存在するのだ。


「先輩、その魔道具はどこで手に入れたんですか?」


「こいつは………小さな小屋で見つけたんだ。ただ他の奴にはなぜかその小屋がわからなくて俺が小屋から出てきたときに驚いていた」


 小屋?何か引っかかるものがある、どこかでそんな話を聞いたことがあるような気が………


「あーはっはっはっは!!困っているようだな透よ!!何なら我が助けてやってもいいぞ」


「このしゃべり方はまさかディアか?」


 声のしたほうを見てみると偉そうにふんぞり返った灰色の髪を持った少女がいた。

 正直こんな状況じゃなければ関わりたくないが今はこんな状況だからしょうがない。助けてもらえるならとりあえず。


「君、いまはそんなふざけている場合ではない。それがわからないのか?」


「ふん、ふざけているつもりなどはないわ。むしろ真剣に手伝ってやろうといっているのだぞ。感謝ならともかく責められるのは心外だな」


 帝先輩、空気呼んで!!今ディアに機嫌を損ねられるとまずいんだから。これ以上何か言われる前に僕が割り込もう。


「ディア、僕を助けてくれる代わりに何をすればいいんだ?」


「さすが話が早いな。そんないけ好かない奴でも助けようとするとはなかなか王としての器があるのではないか?」


「そんなことはどうでもいい」


「まあ確かにそうだな。我の要求はただ一つ、我に《テリトリー》を教えろ」


「わかった」


「………即答とはな。まああの技術を教えてもらえるのだ文句も言わずに働くとするか。《現状維持》!!………これでいいだろう」


「ああありがとう、《テリトリー》に関してはまた後日になるけど」


「問題ない、それより早くしろ。我の魔法で今の状態を維持しているがせいぜい3日が限度な魔法だ。それまでに何とかしろ」


「了解」


 ディアのおかげでなんとかなるかもしれないな。


「待ってくれ雪白君、いったい何がどうなって君は何をしようとしているんだ?」


 しまった説明をしておかないとだめか。

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