白の判断 第一試合終了
それを確認した瞬間に術式を発動、フィールド内の魔法、術式をすべて停止させる。
「そこまで!!この試合、御堂 恭平の反則負けとする!!」
「はあ!?いったい何をしたっていうんだ!!こんなのは八百長だ。そこまでして生徒会は勝ちたいのか!!」
どうやら御堂先輩の本性はこっちみたいだな。さっきまでの性格はいったい何の意味があったのだろうかと考えるが、どうにも僕には理解できそうにない人なので考えを止める。
それに3年の先輩方は僕のジャッジに納得していないようでさっきからすごいプレッシャーをかけてきているしね。
「すまない雪白君、もしよければどうして御堂が反則負けなのか教えてくれないか?」
「すみません帝先輩、今回のことは非常に微妙な問題でして問題の当事者がその事実を知るのはあまりいいことではないので説明したくないのですが」
「なに言ってやがる!!俺があのままじゃ勝っちまうから適当に反則負けにしたんだろうが!!」
そう言われるとイライラするな。そもそも僕がだれのために試合を止めたのかわかっているのか?いや分かってないんだろうな。
「雪白君、今回のことは生徒の命がかかわると思っていいのかな?」
「その通りです校長先生」
「何を言っているんですか校長先生!!俺は命にかかわるようなものを使っていません!!俺が使ったのは身体強化系の魔道具であいつらを殺すつもりなんてありませんでした!!」
「君が言うなら確かにそうなのだろうね。そしてそれならば話は簡単だ、命の危険があったのは生徒会の2人ではなく君だということだよ御堂君」
「は?」
ああこの人はいったいどうして僕が書くそうとしたことをあっさりとばらすのだろうか。
「校長先生」
「まあそんな目で見ないでくれ雪白君、それで御堂君の命の危険はもうないのかな?」
「少なくとも寿命に関してはあと10年は持ちますよ」
その答えで校長先生は御堂先輩の状態がわかったようだ。顔を青ざめながら『嘘だろう?』と目で問いかけてくる。
しかし僕は嘘をつくつもりはないので首を横に振り本当のことだと伝える。
「校長先生?」
「そんな………透君何か方法はないのですか?」
「詳しく見てみないと何とも言えませんね。それに何とかできたとしても完全に元通りとはいきませんよ。幾らかはもう消費されたと考えるべきですからね」
「さっきから何を言ってやがる!!いったい俺がなんだっていうんだ!!」
もうめんどくさいな、それによく考えたら僕はこの先輩のことを心配する必要はないんだし本人が聞きたがっているんだから教えても問題はないよね。
「では教えますが御堂先輩、あなたがさっき言っていた身体強化用の魔道具ですがあれは強化の対価として使用者の命を奪っていくというもので先輩の寿命はあと10年分くらいしかありません」
「は?」