模擬戦 審判の疑問
「それではこれより3年生の代表3人と生徒会の模擬戦を始めます。そして審判をするのは1年生の雪白 透君です」
時間は午後、さきほど校長先生が言ったように僕が模擬戦の審判をすることになっていた。
その理由は
「待ってください校長先生!!なぜ先生方ではなくて1年生が審判をするのですか!!」
どうやらあの3年の先輩のおかげで校長先生が説明してくれそうだ。
「それはですね雪白君は術式と魔道具の知識においては教員の誰よりも多くのものを知っているからです。彼にはこれからもいろいろと手伝ってもらう予定ですので今日は皆さんに対するお披露目も兼ねているのです」
「そんな馬鹿な」
「まあ百聞は一見に如かずといいますしとりあえず見ていてください」
さすが校長、最後にはあの3年生を威圧して黙らせるとは。そこまでやられたんなら僕も手を抜くことはできないな。
「それでは3年の代表たちを紹介します。1番手御堂 恭平、2番手岩田 智、そして大将帝 浩。この三人を相手に生徒会には戦ってもらいます」
「えっ?」
「なに?」
ん?どうしたんだろう生徒会の先輩2人が何かに驚いている。代表の3人に何かあるのかな?
まあ何があろうと公正なジャッジをするけどね。
「それでは第一試合、御堂 恭平対音無 宏太および神無月 秋、それぞれ準備してください」
さてとそれじゃあ僕も準備を………あの人はもしかして。
「それではルールを確認するが大けがを負うような魔法は反則となり失格と扱う。それ以外はとくにないので好きにするといい。では雪白君、開始の合図を」
「すみません校長先生、試合を始めるにはまず御堂先輩が持っている魔道具を取り上げてもらわないとできません」
「何を言っているんだい君は、私がいったいなにを持っているというのさ」
「即死系の魔道具と手加減のできない魔道具です。それを外してもらえない限り試合を始めることはありません」
「そうなのかね御堂君?」
「そんなことはないですよ、そもそも持っていたとしてもそんなものを使う気はありませんよ」
はあ、どうやら捨てるつもりはないみたいだね。
校長先生を見ると半信半疑といったところかな、まあ疑わしきは罰せずというし生徒会側が了承するなら始めようかな。
最悪僕が止めればいいしね。
「では生徒会に聞きますがこのまま試合を始めていいですか?」
「ああ問題ねえよ」
「大丈夫です」
「では双方位置についてください。それでは第一試合、始めっ!!」