白の考える『最強』
「会長たちが強くないってどういうこと?」
「言葉の通りだよ、僕はあの人たちを強いとは思っていない。だから負ける可能性は大いにある、そういうことだよ」
「でも生徒会はこの学校の最強が入るんでしょう?だったら」
「そう、その通りこの学校の中ではたしかに強いんだろうね。でもそこに3年生は含まれていないし、それにほら大会で負けたばっかりじゃあないかあの人たちはさ」
「確かにそうだけどあれは聖剣を使われたからでしょう」
「いや雷には聖剣を使われなくても負けたと思うよ。彼女はずいぶん強そうだからね、まあ問題はそういうことじゃあなくて静さんたちは最強じゃあないってことこそが問題なんだよ」
「最強じゃないことが問題?」
蓮は分かっていないようだね、でもその早く説明しろって顔はやめてくれないかな?
「彼女たちは最強じゃあない、だから負ける可能性がある。つまりそういうことだよ」
「でも最強なんてこの世にいるの?」
「いる。それは数は少なくてもいることは間違いない。蓮が知っている人で言うとリーダーと黒羽の爺さんがそうだよ」
「おじいさまとリーダーが?」
「ああ、あの2人には勝てない。正々堂々はもちろん不意討ちしても薬物を使っても自然を使っても星を使っても勝てない。あの人たちが負けるとしたら寿命くらいといいたいけど案外それにも勝ったりしてね」
あの人たちなら本当に勝ちそうで怖いんだけどな。
「まあそんな人たちなら勝つって断言できるけど生徒会は断言できないってことだよ」
「でも最強ならなんにでも勝つわけじゃないんじゃないの?」
「いやいや何よりも強いということはどんなより強度があるってことだからね。そう負けることはないんだよ」
「そうなの………」
蓮は納得していないようだったがちょうど授業が始まったのでそこで話はおしまいとなった。
僕は最強についての考えはこれでだいたいあっていると思っている。なんといったってさっき僕が言ったことは全部試したからだ。
なにで試したかといえば当然黒羽に対してだ。
そしてすべてを試した結果として僕は復讐を実行するのを一時的にやめたのだ。
黒羽 徳治との契約で彼が死ねば僕は黒羽一族を滅ぼす、そのかわり彼が生きている限り黒羽一族を誰1人殺さない、そう決めたのだ。
この契約を結べたのは黒羽で最強なのは彼だけだということのおかげだ。それによりほかの一族全員を人質にとって結べたのだから。
だからこそ勇者には少し期待している。もしも勇者が徳治を殺せるなら、僕はその瞬間に復讐を果たすことができるのだから。