どんな時でも変わらずに過ぎるもの
結果だけ言えば体育祭と文化祭でも上位に入れば廃部はなくなることになった。
しかしこの上位というのが曲者で、まず体育祭の場合は参加した派閥の数で上位の基準が変わるらしい。
つまり体育祭では1位を取らなければ上位と認められない可能性がある。
そして文化祭だがこちらは参加した団体がいくつあろうが3位以内に入ればいいらしい。
とはいえ文化祭では有名な芸人とかを呼ぶこともあり、それも投票対象に入るので3位以内というのはこちらも難しいことが予想できる。
亮介さんに去年の体育祭と文化祭について聞いてみたところ、あの生徒会でさえどちらも1位ではなく体育祭では総合2位、文化祭ではそもそもランキング圏外だったらしい。
それを聞いた僕たちは僕と奈々を文化祭に、文化祭よりも早く行われる体育祭を残りの3人が対策を考えることになった。
しかし文化祭のほうが日に余裕があるとはいえ、大掛かりなことをするなら機材やらなんやらが必要だしそもそも場所取りについても調べておかなければいけない。
そんなこともあって余裕は全くないのだった。
しかし僕たちに余裕がないからといって世間がそんなことを考慮してくれるはずもなく1週間が早くも過ぎてしまった。
そう今日は月曜日、つまり3年生と留学生たちがこの学校に来る日だ。
「………ということでこのクラスには留学生が来なかったがあまり気にせずに授業に集中しろ。そして言うまでもないことだが留学生が何か困っていたなら手伝える限りは手伝え」
さすが先生、留学生とはいえ今はこの学校の生徒だから仲良くしろということかな。それとも困っている人を見たら助けろってことかな?
「そして急な話だが今日の午後からの授業はすべて中止になり、生徒会にいた3年生と飯の生徒会が模擬戦を行うことになった。今回は安全を考えて一般生徒は教室のテレビで見学だが見終わった後に戦闘に関するレポートを書いてもらう。くれぐれも寝ないようにしろ、以上だ」
そう言い終わると教室から出て行く先生、いつも思うけどずいぶんと速く動くよなあの先生は。そんなに受け持っている授業が大変なんだろうか?
「透君」
「ん?何か用?」
「さっき先生が言ってた模擬戦だけどどっちが勝つと思う?」
「3年の先輩じゃない?」
「………ずいぶんと速く答えたわね、その根拠は何なの?」
根拠ね、そんなのを考えたわけじゃないけどしいて言うなら。
「亮介さんたちを僕は強いと思っていないからかな」
「えっ?」