始動『プロジェクトS』!! ………だと思った?
「これで後期始業式を終わります。生徒の皆さんはクラスに戻り、ホームルームを行ってください」
教頭先生の閉会宣言によって生徒たちはクラスに戻っていく。
その姿を見ると今までと変わらない長袖の姿だ。今の時代、長袖の制服ひとつで耐熱、耐寒の2つを果たせるので夏服冬服の区別はないのだ。
今はなき半袖の制服を思うと、いったいどうしてなくなったのか恨まずにはいられない。
特に今年は一回も水着の女性を見られなかったのだ。その思いはいつもより強いと言わざるを得ない。
………そう僕はあれから夏休みが終わるまでみんなを海に連れていくことはできなかったのだ。
なぜなら茜と一緒にいた僕が『そういえば僕がみんなの水着を見たがってたよー』と自分は違いますよ、みたいな感じで密告していたのだ。
それにより僕が海の話をしようとするたびに邪魔をされ、しまいには僕を悠と一緒の部屋に閉じ込め、悠が
『このままではあなたが何をするのかわからないので私としては自殺をしたい気持ちになりますが皆さんのために好みを犠牲にしましょう』と息継ぎせずに言い切った後、服を脱ぎ始めたので新しく手に入れた『転移の聖剣』を使いその場から逃げたということがあった。
さすがの僕でも家族みたいな人間の体で興奮したりはしないのだ。
そんなことがあり1週間はあっという間に過ぎていったのだ。
「それではこれからホームルームを始める、がその前にお前たちが全員そろって私の前にいることをうれしく思う。全員そろっているということは誰もランクAのダンジョンに挑んだり、今の世界を支配しようとするテロリストと戦ったりしなかったということだからな」
久しぶりに織羽先生を見たけどこんな冗談を言う人だっただろうか。しかし冗談にしては笑えないし、先生の表情を見る限り真剣に言っている。
………深く考えるのはやめておこうか。それより先生の話を聞いておこう。
「さらに来週から今まで遠征に行っていた3年生が帰ってくる。彼らはそれから1か月ほどここに通ってくるので彼らから話を聞いたりしてこれからの参考にするのもいいだろう」
予選争奪戦の後に知ったことだが、この学校には3年生がいなかったのだ。ここの学校はそんなに早くから自由登校が始まるのかと思っていたのだがそんなものではなかったみたいだ。
というか遠征ってどこに行っていたのだろうか?
「さらに来週からは何人か留学生が来る。このクラスに来るかわからないが知っておけ」
その後にいくつかの連絡を言った後、ホームルームを終えたのだった。