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白の夏休みの計画

「………どうやら島に帰れたみたいだね。さすが圭介、いったいどうやってこの場所を見つけたのかさっぱりわからない。今度会ったときにどうやったのか聞いておこう」


 さて独り言は現状を確認するのにちょうどいいけど、誰かに聞かれたらなに言ってんだコイツ?みたいな目で言われるからそろそろやめておこう。

………はあ、それにしても入れ替わったのは朝だったのに今はもう真っ暗な夜だ。貴重な夏休みを1日つぶしてしまうなんて。


 まあ今年の夏休みなんて最初からなかったようなものだけどね、大会から始まりリーダーに連れ去られ、修行を始めては体と精神が入れ替わって昔の知り合いに会う。

 これが高校生の夏休みだと思うと泣けてくる。しかも新学期までよく考えたら1週間ぐらいしかない。


 ………おかしいだろ!!普通の高校生の夏休みって言ったら友達と遊んだり、バイトをしたりするもんじゃあないのか!!

 いや僕を普通と言っていいのかは議論の余地があるかもしれないけど、それでも海か山には行きたかった。

 まあここは島というだけあって周りは海だし山もある。


 だけど違うんだよっ!!


 だってここの山にはなんかいろいろと混ざった生き物が住んでいるし、なぜか罠も山ほど仕掛けられている。

 海は海で泳いで遊べるほど平和な場所ではない。海に入った瞬間に100種以上の魔物っぽい何かに襲われてしまうのだ。


 僕が求めているのはそんな地獄のような光景ではなく、平和な海で女性の水着姿を見て楽しんだり友人と泳ぎで競争をしたりと言ったことをしたいのだ。

 あと1週間でその夢をかなえるために蓮たちの修行を手伝ったはずなのにいったいどうしてこんなことに………ん?


 僕が蓮たちの修行を手伝ったのってそれが理由だったっけ?

 何か引っかかるものがあるな、そうたとえて言うならなにか衝撃の強いものを見てしまったから、それを思い出さないように自分の記憶を都合のいいものに変えてしまった、そんな感じだ。


 何かあったのだろうかと考えながら歩いておよそ30分が経ち、明かりが見えてきた。

 とりあえず何があったのかを考えるのはまた今度にしてさっさと合流して僕の体を取り戻すとしようか。




「透君!?いつここに来たの!!」


「ついさっきだよ。運良く転移魔法を使える知り合いが近くにいてね、何とか送ってもらったんだ」


「そんな知り合いがいたなんて運がいいな。まああたしたちには元の体に戻る方法がわからなくてお前に頼ろうとしてたからさっさと帰ってきたのはよかったけどな」


「またまたー、奈々ちゃんあんなに透君のことを心配してたじゃあないですかー。ツンデレちゃんですね奈々ちゃんは-」


「なに言ってやが」「それはひとまず置いといて透、何とかできそうか?」


 帰ってきた僕に放たれたたくさんの言葉、とりあえず名伏の質問に答える。



「とりあえず違和感が半端じゃあないんだけど」


 前に率直な感想を言うのはしょうがないよね?

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