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白の策略 気づく友

「なによ、そもそもアンタがはっきりしないからこうなったんじゃない」


「たしかにそうだけど!!透も水樹さんもそこまで言い争うような性格じゃあないだろう」


「いやいやそんなことはないさ。僕はやるべき時には相手がだれだろうが構わずに戦う人間だよ」


「お前のやるべき時は今なのか!?」


「そう、これは男と女の繁栄をかけた勝負なんだ!!」


「なにいってるの、これは勝負なんかじゃないわ。女が男を圧倒するだけのつまらない余興よ」


 ふっ、そこまで言われたら引き下がることなんかできないな。


「「いざ、尋常に勝負!!」」


「なんでそんなに息が合ってるんだよ!!仲がいいのか悪いのかはっきりしてくれよ!!」


「いえ、そんなことより早く逃げなければいけないのではありませんか?」


 さすが木戸さん、今いるアイドルたちの中でも良心的な人物で知られているだけのことはある。こんな場面でも常識的なことが言えるとは。

 しかし残念ながら魔法に対する認識は甘いというしかないだろう。さすがに圭介も気づいたみたいだしね。


「唯さん、それについては心配はいりません。今ここにテロリストなんていないんですよ」


「えっ?どういうことですか?」


「全部最初からそこの2人に仕組まれていて僕たちは騙されていたんですよ」


「だましたっていうのはひどいんじゃないの?そもそも私たちが何をやったって言うのよ」


 ………彼女は別の意味ですごいな。いくら僕でもあんなに図々しくできないぞ。


「さっきのステージで歌を歌った時に魔法を僕たちにかけていたんでしょう。歌唱魔法使いの魔法は術式に近いから透が時間差で発動するやり方を教えた、そうだろう透?」


「うん?全然違うよ。間違いすぎていて逆に満点をあげたいくらいの間違いだよ。たしかに君が言うように僕なら歌唱魔法の遅延術式や歌わずに口パクだけで使えるものまで教えることはできるけど今回はそんなことはしてないよ」


「えっ?」


 圭介が口をだらしなく開けてポカンとしているが男のこんな顔が見れてもうれしくないしな。

 まあ種明かしはしておこうかな、木戸さんのために。


「まあ簡単にいえば催眠術みたいなものだよ。僕みたいのは魔法に頼れないし、かと言って術式や魔道具に頼るのもどうかと思ってね。色々な技術を学んでいるんだよ」


 まあその技術を有効に使っているかと聞かれたら全然使ってはいないのだけど。


「催眠術か、そういうのにも対策を考えとくべきだな」


「対策を練らなくてもうちのギルドに入れば将来安泰だよ?」


「遠慮しとくよ。………今日は手伝ってくれてありがとな。今度会ったら何か礼をするよ」


「圭介?」


 なんでいきなりお別れの雰囲気を出しているんだ?


「それじゃあリーダーさんによろしくな《土壌流れ》」


 そうして僕は魔法に包まれて………

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