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白たちの対応

「ありがとうございました。………えっと、また来てくださいね」


「ええ、いろいろありがとうございました」


 顔を赤らめて見送ってくれた女性店員に笑顔を返して店を出て行く。

 さすが名伏の顔、女性とこれほど早く親しくなれるとは、僕の顔なら考えつかないことだ。

 まあふざけるのはこれくらいにして、どうやってみんなと合流するか考えるか。


 さっき確認したが名伏の力『仮想幻実』も『理想現実』も使えなかった。おそらく肉体と精神がまだ完全につながっていないために使えなかったのだろう。

 それはつまり肉体と精神が完全につながる前なら元の肉体に戻りやすいということだと思う。

 しかしリーダーたちと連絡を取ろうにも名伏の連絡用端末にかかっているパスワードを解けないうえに魔法による連絡も取れない、おまけに簡単な魔道具を作ろうにも術式すら作れない。

 そんなないない尽くしの今の現状ではリーダーたちが何とかしてくれるのを期待するしかない。

 リーダーの《同真炎》でここに来れればいいんだけど、あの魔法はあらかじめ登録している場所にしか行けないからなあ。大会のあったこの場所を登録しているかなあ。


「ん?」


「おいガキてめえ、人にぶつかっておいてなんにもなしかよ!!」


「えー?でもでも私がぶつかったっていうなら当然ぶつかった相手がいるということで、それならわたしだけが謝るのは不公平だと思うんだよねー。いやいやこんなことを言うと私が謝りたくないように聞こえるかもしれないけれどいま私は物事の公平性について語っているわけで、決して謝りたくないわけではないんだよ」


 なんだか非常にめんどくさそうな女性に不良のような男が2人でからんでいた。

 女性のほうは見た目は美少女だができれば相手にしたくないタイプの人間だろう。アレの相手をしなければいけないと思うと不良のほうに同情してしまう。


「てめえなに意味わかんねえことを言ってんだ!!」


「あれ?私の言っていることがわからなかった?それはごめんね。どうにも私は人に合わせるということが苦手でね、自分のレベルで話してしまうんだよ。君たちが私の話についてこれないことなんて見ただけで分かっていたはずなのに忘れていたようだね。それじゃあ頑張ってレベルを下げて話してみるよ」


 ………関わり合いになる前に移動しようか。






side 名伏


「あっはっはっは!!」


「………笑い事じゃないだろ」


 リーダーに今の状況を伝えたらこうなった。本当になんで俺はこいつのギルドに入っているのかと少し考え、しょうがないかという結論にたどり着く。


「まあそう言わないで、大会の会場には『同真炎』で移動できないし、すぐに連絡の取れる奴に転移魔法や魔道具を使うやつもいない。今すぐどうにかできるとしたら名伏と透以外の3人をどうにかできるかだけど、3人に入っている透がどうなるかわからない以上あまり手を加えたくないんだよ」


「確かにそうだな。俺が魔装具を使えていない以上、透も魔道具を使えないし預かった『転移の聖剣』を使うこともできないと考えるべきだろう」


「とはいえ透ならどうにかするでしょ。適当に待っていようよ」


「適当すぎないか!?」


 本当にどうしたものか………

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