色々入れ替わり
「ッ痛」
なぜか頭が痛い。我慢できないほどではないがそれでも集中を乱す程度には強い痛みだ。
何か頭が痛くなるようなことをしただろうかと今までのことを思い出す。
そして聖剣が暴走したことを思い出し立ち上がり聖剣がどうなっているかを確かめようとするが聖剣が出ない。
何度も呼び出そうとするが全く反応がない。
もしかして呼び出せないほどに壊れたのだろうかと思い始めたとき、周りの景色がおかしいことに気付いた。
おかしいと言っても風景が歪んでいるとかそう言ったものではなく、いま僕がいる場所はどこかの部屋の中なのだ。
とりあえずその部屋の中を調べていると風呂に鏡があった。そしてその鏡には僕のものではない、しかしよく知っている顔がそこにはあった。
………というか名伏の顔だった。
「!?」
なにこれ!?僕の普通の顔がなぜ名伏のイケメンフェイスになってるんだ!?
それから1時間ほど慌てたところで落ち着いてきたので改めて今の状況を確認する。
どうやら『接続の聖剣』でつないでいた名伏の『仮想幻実』にいた僕らの精神が体を間違えて入ったようだ。さらに分割していた僕は半分しか戻っていないことがわかった。
僕の力『自分自身』により分割していた『憎しみ』、『忠誠』、そして最新の『ひねくれ』の3つがあるのは確認できた。問題は残りの3つがどうなっているかだけど確認をするにも今どこにいるかを知らなければいけない。
というわけで買い物を楽しんでいます。
いやー、名伏の体って本当にいいねえ。イケメンだから女性に見られるなんていう普段はありえないことを味わえる。
問題はときどき男性からも熱い視線を向けられることだろうか。名伏は普段これほどに見られているのか………僕の体じゃないしちょっと楽しんでみようかな?
side 名伏
「つまり蓮の体に奈々が、奈々の体に茜が、そして茜の体に蓮が入っているんだな?」
「そうみたいです。あと透君の『愛情』が私に、奈々には『常識』、茜には『無気力』が入っているようです」
「魔法は使えるのか?」
「いえ私は土属性を使えてもいいはずですけどできませんでした」
「面倒だな。おそらく残りの透は俺の体を使っていると考えるべきだがもし魔道具を使うことができなかったら合流するのも大変だ。………とりあえずリーダーに報告に行くからついてこい」
リーダーがあそこに転移できればいいんだが、そんなうまくはいかないだろうなあ。
と考えていると蓮たちがなにか話し合っていた。
(透君ってあんなに頼りになったっけ?)
(今は名伏さんですよー)
(それに魔道具とかならかなり頼りになるだろ)
(なにか納得がいかない!!)