修行開始(茶)
目が覚めると朝だった。
ん?いつの間に寝たのだろうか。静さんたちが聖剣を手に入れたところまでは覚えているのだけど。
まあそこら辺は気にせず、蓮たちを鍛えようかな。
………ん?なんで蓮たちを鍛えるんだ?
「あら透君起きたのね。おはよう」
「おはよう蓮。奈々たちも起きてるのかい?」
「ええ起きているけど………透君は昨日のことをどれだけ覚えてるの?」
「聖剣のところまでは覚えているけど、あと蓮たちを鍛えなければいけないという使命感がなぜかあるんだけど」
ほんと何故だろうか?
「あまり気にすることもないよ。………ところで私たちの特訓内容は決まるまでどのくらいかかりそう?」
「もう決まったよ」
「え!?本当に?」
「本当に不思議なんだけどこのことについて全力で取り組まないといけない気がするんだ。だから下手したら死ぬかもしれないけど許してね」
「え?」
「それじゃあ3人の特訓内容を発表しまーす」
昨日食事をした場所で蓮たちを前に話し始める。
ほかの人はもうすでに移動しているらしく辺りにはいなかった。
「それでいったい何をするんだよ?」
「そんなに気になる?知りたい?どーしよっか、ゴバッ!?」
「《土弾》《土弾》《土弾》《土弾》《土弾》《土弾》《土弾》!!」
「ちょっ!?いきなりどうし、グベッ!?おちつ、ガハッ!?あばばばばばばば!?」
30秒後そこにいたのは雪ダルマ………ではなく泥ダルマとなった僕の姿だった。
………END
「終わらないよ!!」
「で?特訓の内容は何なんだ?」
「話を戻したっ!?いやいやいや、まずは僕に謝るとこから始めようよ!!」
「あたしは悪くない。今回のことであたしが悪いというやつには不幸が訪れるけどあたしは悪くない」
「どんだけ僕はうざかったんだ!?」
これが最近のキレやすい子供ってやつなのか?なるほど確かに将来が心配になるな。
「いいから早く言えよ。それともまたやられたいのか?」
もう、このロリっ子凶暴すぎるでしょ。
おえっ、今の言い方はなかったな。
「それじゃあいきなりだけど始めるよ」
side 土屋 奈々
どこだここは?いつの間にか周りが暗くなってる。それに蓮たちがいる気配もない。
ついさっき透が始めると言ったことから、おそらくこれは透が何かをした結果なのだろう。
そしてあたしは全く反応できなかったという事実に透との実力の差を思い知らされる。
(むかーしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんがいました)
ん?
(おじいさんはかりがとくいで、おじいさんのとおったあとはむしいっぴきものこらないといわれていました)
んん?
(おばあさんはせんたくがだいすきで、かわにいってはじゃぶじゃぶじゃぶ、いずみにいってはじゃぶじゃぶじゃぶ、うみにいってはごぼごぼごぼ、しゃかいのごみをせんたくしてなくしていきました)
んんん?
(このものがたりはそんなじんがいふたりがもものかたちをしたやまをくだいたところからはじまります)
(ぐしゃあ!!)
「うわっ!?」
な、なんだいきなり明るくなったかと思ったら、目の前に黒いスーツを着た筋肉の塊と真っ赤な服を着たおばあさんがいた。
一見まともに見えるおばあさんの服だけど、あれって返り血で染まってるのか?
(ふたりがくだいたやまからはたいそうかわいらしい、いやかわいい、いやせかいでいちばんかわいいとだれもがぜっさんするろりっこ、ななたろうがあらわれました)
なんだよ奈々太郎って!!
(それをみたおじいさんとおばあさんはきょうのばんめしにしようとななたろうにおそいかかったのです)
「は?」
そしてあたしは筋肉の塊に潰されて………