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黒の白への思い

side 黒羽 蓮


「透が真っ二つに切られた!?」


「そうなの、だから」


「今すぐ直しに行きます。早く連れて行ってください!!」


 いま私は旧アメリカ大陸・点字列島のダンジョンへ夢見さん、いえ悠に会いにリーダーと一緒に来ていた。

 雪白君の………透君の現状を伝えると悠は目の前にいた上級魔物を切り捨てながらリーダーに迫っていた。


「落ち着いて、透は別に死ぬわけじゃないんだから」


「でも、そんな!?」


「ほらまた来たよ!!」


 リーダーは悠に大声をあげて注意したが別に焦っているわけではないと思う。なぜなら次の瞬間にはその魔物は灰が残らないほど燃やされたからだ。

 さっきからずっとこんな感じで魔物は2人にやられていた。私の出番はない。ただこの2人の戦い方をよく見て理解して取り入れたい。

 私は魔法だけなら誰のでも同じものを使えるはずだから、今よりも強くなるために。




 そして30分ほどでダンジョンからの脱出に成功した私たちは転移の魔法で島に帰った。


「それで透はこの島のどこにいるんですか!!」


「ブルーと一緒に休ませてるよ。ほかのみんなは修行させてるから透を治したら二人っきりにしてあげるよ」


「さあ早くいきましょう!!」


 悠は相変わらずだなあと思う反面、私は透君をどう思っているのだろうか考えてしまう。

 最初は入試のトップだったということで気になった。それで観察していると面白い人だと思った。だからクラブに誘った。

 そして彼のおかげで私はいまここにいる。

 そんな彼に対する私の気持ちとは何だろう?

 だけど恋であってはいけない。私は彼の黒羽に対する事情を知ったのだから………

 でも、それでも私には


「この僕の足さばきをなめないでよね!!」


「なにをこの程度で!!私の足技を受けてみろ!!」


「「「えっ!?」」」


 声がそろってしまった。あまりの光景に2人も茫然としているのを見て私は正常だと理解する。つまり彼らが異常なのだろう。

 私たちの目に映ったのは透君とブルーさんが足を1本ずつ手に持って叩き合っている姿だった。

 しかも透君は本来下半身があるところに『黒札』をまとって空を飛んでいる。


「かかと落としっ!!」


「甘いっ、回し蹴り!!」


 あの2人は何をやっているんだろうか。たしかに手に持っている足で攻撃しているからかかと落としも回し蹴りも間違いじゃないかもしれないけど、もっと根本的なところで間違えているのに気付いていないのだろうか。


「ああーっと、そこの2人はいったい何をしてるのかな?」


「ん?リーダー帰ってきてたんですね。すみません熱中してて気づきませんでした」


「悠もいますね。いやはやこの足を使ったチャンバラはなかなか奥が深くて面白いものでした」


「その足は透の足なんだよね?」


「ええそうですよ。さっきまで色々と言い争っていたんですけど、その決着をつけるために何かないかと思いまして」


「そうすると透の下半身がそこにあったので、どうせ後で治すならと2つに裂いてチャンバラをすることにしたのです」


「「これが楽しくてもう!!」」


「「「常識を学んで来い!!」」」


 透君に感じているのは間違いなくかわいそうな子だということね。私が何とか更生させて見せる!!

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