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白とブルー

 真っ二つ


 上と下


 それがあの夜襲の結末だった。テンションが限界を超えたリーダーはあろうことか僕の腰を真っ二つに切るという暴挙に出たのだった。

 それを見た奈々や静さんは気を失いかけたり泣き叫んだり、亮介さんや蓮はリーダーと敵対しかけたりと色々と締まらない結果に終わった。

 ちなみに僕はというとブルーの作り出した水の中に上半身と下半身を入れられ失血死などをしないようにされていた。


「はあ、目の前に自分の尻があるっていう不思議体験をするとはね。右手とか右足がなくなったことはあるけど、今みたいな気持じゃなかったな」


「なるほど今なら自分一人で夜のお楽しみができる分嬉しさがあるということだね」


「全然違うよ!!何その悲しい行為。………というかそういうことをするためのものは全部そっちについてるだろ。何ができるっていうのさ」


「1人肩車」


「何の意味もないだろ!?全然身長が高くならないよ!!」


「身長を伸ばすのが目的ではない。いいか、まず上半身と下半身を正面同士向い合せて」


「落ちが見えたからもういいよ!!というかやるなよ、絶対にやるなよ!!」


「おいおい上半身もっと正直になれよオレ(下半身)のようにさあ!!」


「おい僕の体で遊ぶな、変な声を出すな。………ちょっと待て何その形。僕の下半身は今どうなってるんだ。おいやめろ、今は神経通ってないけどあとで治す時どうなるかわからないだろ!!」


「どうなるも何も悠を呼んだんでしょう?時間を巻き戻すんだから何も起こりようがないでしょ」


「だからって僕の体で何をしてもいいわけじゃあないからな」


 僕の体が元に戻るからと言って心に負った傷は治らないんだぞ。そこらへんを考えて行動してほしいね全く。………無理か。


「ところで透君、君は誰が本命なんですか?」


「ん?」


「君のつれてきた彼女たちは全員美少女じゃないですか。君も正常な男として狙っている子がいるんでしょう?誰にも言いませんから教えてくださいよ」


 お面によって表情がわからないはずなのにすさまじくニヤニヤしていることがわかる僕は異常なんだろうか。というか


「狙うも何も彼女たちって彼氏とか婚約者とかいるよ?」


「ええっ!?そうなんですか!?」


「かいちょ、静さんは亮介さんと付き合っているはずだし、奈々と茜は家の関係で婚約者がいるし、秋さんと朝日さんは僕のカンですけど狙っている男子がいますからね」


 小説のようにハーレムなんてそうそうならないものだ。別にがっかりなんてしてないからね?むしろ静さんとか幸せでよかったねって思ったし。いや本当だからね。


「じゃあ蓮ちゃんは、いや透は選ばないか」


「彼女は黒羽ですからね」


「なら悠はどうなんだ。あの子の気持ちには気づいているんだろう?」


「彼女の気持ちは家族愛ですよ。なんといっても悠は雪白になるはずだった人間なんですから。雪白が僕だけだから恋と錯覚してるのかもしれないけど、妹と恋愛を楽しむ気は僕にはないよ」


「そっかー。それじゃあまだリーダーに恋してるのか」


「ふぇっ!?な、なにゅをいって、何を言うばい、わしゃあそんなことはないぞよ」


「テンパりまくってるじゃないか。昔はべったりくっついてたもんな。ダンジョンの時なんて」


「うわわわわ!?《紅龍》!!」


「うわっ!?おい照れ隠しでそんなもん使うなよ!!焼け死ぬところだったじゃないか!!」


「そっちが昔の話を持ち出したのが悪いだろ!!」


 そう、誰にだって言われたくない過去はあるのだ。


「なんだと!!そっちがその気ならこうしてやる!!」


「おい僕の足で何をしてるんだ!?ちょ、やめ、そっちがその気ならこっちだって」


「ああ、やったな!?ならこうだ!!」


 こうして僕とブルーは悠たちが来るまでじゃれあっていたのだった。

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