白(黒)の戦い 決戦!!
「《底なし沼》」
彼女たちの足元が沼に変わる。
「《流れ星》」
沼に足を取られた瞬間にそれから炎を纏った岩が降る。
しかしそれも決定打にならず、水に包まれて止められた。
僕を黒く染めてから何度かあった攻撃は全て防がれている。こっちも攻撃を受けてはいないがこのままでは人数の関係で負けしまう。
勝ち負けが目的ではないはずだが、ここまできたら勝ちたいと思ってしまう。彼女たちはまだ全力を出していないとわかっているのにそんなことを考えるのだから僕はきっと負けるのだろう。
とはいえすべての実験が終わったことを考えると僕は勝ったと言えるんじゃあないだろうか。
『真実の聖剣』で理解した相手の聖剣を『増殖の聖剣』を使い劣化コピーを作成するという実験は僕の所持する聖剣よりも劣化が激しいという欠点があったがその欠点を知れただけでも十分だろう。
「さすが透だな!!私たち5人を相手にして互角だなんて!!」
「聖剣を使ってないのに互角と言われても困るよ」
「そうか?それじゃあ使うよ私の聖剣!!」
しまったやぶ蛇だったか。
「《炎玉》!!《倍化》!!《倍化》!!《倍化》!!」
「くっ!!」
彼女が出した火の玉が大きさと速さを倍にして襲い掛かってきた。これが彼女の聖剣『倍化の聖剣・アンリミテッド』の能力、使用者が認識しているものを倍化する力。
しかし彼女はいまその力を3回使ったはず。大きさと速さとあと一つは何だ?
「《水壁》!!」
とりあえず水で防御
「なっ!?」
何にも邪魔されることなく迫ってきた火の玉から必死に逃げる。魔法が発動しなかった僕にできるのはそれしかなかった。
「これはまさか………」
「やっぱり時間制限があったんだな!!」
その言葉を聞き僕は自分の髪を1本抜いてみる。その髪の色は白だった。
「白札の制限時間を倍化して早めた!?でも倍程度ならまだ時間はあったはずなのに」
「倍じゃないよ4倍だ。《炎玉》の基本性能に1回、『白札』の効果が切れるまでの時間に2回、この2つにつからを使ったのさ!!」
基本性能を倍化できたのか。読み違えたなあ。
「効果が切れてよかったんじゃないの?『白札』を使っている間は魔道具も聖剣も使えないんでしょ」
そこまで気付かれてたか。『白札』を使うということは僕の性質を変えるということでもあるので魔道具は大半が、聖剣に至っては一つも使えなくなるというのが欠点だ。
それをあっさり見抜いてくるからすごいんだよな。
「いいんですか、僕が聖剣を使えるようになっても?」
「そっちのほうが強いでしょ。倒すならやっぱり強いほうを倒したいしね」
あいかわらずだなあ
「そう簡単に負ける気はありませんよ!!」
最後の特攻に行こうか!!