それぞれの風景
「せんぱーい、そんなに早く逃げないで下さいよー」
「そっちが追うのをやめたらそうするよ!!」
「おい雪白!!彼の使っている魔法は何なんだ!!」
「電気の弾丸です。あの魔法に当たると抵抗できなくなるんでよけてください!!」
「わかった!!」
黄色い弾丸が次々とイエローから放たれる。それを『黒札』で防ぎながら反撃の方法を考える。
「うわぁ!!」
「音無!!」
考えていると音無に攻撃が当たったのが見えた。これはまずい。
「風宮、速水さん、音無から離れて!!」
「何を言って………むっ!?」
音無に近づいていた速水さんは音無に殴りかけられた。
「どうした音無!!」
「わかりません!!体が勝手に動いて!!」
「申し訳ないですけどその体はもう僕のものですよ」
「そうはさせるかっ!!《黒札結界・白帝城》」
「あれ!?」
ただ逃げているだけだと思うなよ。今までの道に『黒札』をばらまいていたんだよ。この結界内ではすべての属性色を脱色し魔法を使えなくする。………そのかわり体内に魔力を取り込んだ場合は魔力が無色なので染めるのは早くなるけど。
「《風龍》、《水龍》」
しかし僕の『黒札』はその影響を受けないから攻撃したい放題………
「《引き寄せて弾けマグネット》」
「うわっ!?」
聖剣で跳ね返した!?そこまでするのか!?
「《滅ぼせ》!!」
「うわっ!?」
「しまった!!」
「これは………」
風宮たちがイエローの魔法を受けている!?いったいどうして!!
「これであとは先輩だけですね。それじゃあみなさん抱き付いて先輩を捕まえてください」
「ふざけるなーーー!!」
男に抱き付かれてたまるか!!
side 黒羽 蓮
「はっはっは、さあ君たちも私の水にぬれたまえ」
「それよりもあたしの風でめくりましょうよ」
「なんでこんな人が相手なの!!」
私たちはブルーとグリーンを相手にしていたのだが、この二人はセクハラを目的としていた。すでに奈々ちゃんは彼らの餌食となりスカートを風でめくられた後、やけにねばねばした水を当てられひどいありさまだ。
あんな目に合うわけにはいかない。だが彼らに勝てるほどの実力はないから逃げるしかない。
「《粘る雨》!!これでどうですか」
「ああっ!?空から何かねばねばしたものが!!」
「これはまずいですよー《炎弾》」
「そこよっ!!《幸せの風》」
「ちょ、ちょっと!?」
「さすがですグリーン!!《ヌメリ水》」
「いやああああああああ!!ぬめぬめするー!!」
「ごめんなさい蓮ちゃんー。わたしはそんなふうになりたくないんですー」
「私だってなりたくないわよ!!ちょ、おいて行かないで茜ちゃんー!!」
待って一人にしないで!!
「それでは楽しむとしましょうかグリーン」
「ええ、こんなかわいい子はそうそういないしねブルー」
い、いやー!!
side 都 静
私はいま地獄がどこにあるかを知った。それは………
「ほらほら早くしないと焼いちゃうぞー!!」
「もしくは沼に沈んでもらいます」
ここよ!!
「2人とも大丈夫!?」
「だ、大丈夫です」
「私も大丈夫ですけどどうしますか?魔法は全部燃やされるか泥みたいなものに包まれて消されますよ」
そうなのだ。私たちも自分にできる限りの攻撃をした。それを彼女たちはものともしないのだ。
「いくよブラウン!!《燃え尽きる世界》!!」
「了解だレッド!!《終わりの尽きない大地》!!」
「なっ!!地面が沼にっ!?」
「しかも周りが炎に囲まれています!!これでは逃げることも………」
どうしろっていうのよーーーーーーーーーーー!!