不幸は突然やってくるものです
「それじゃあ次は魔道具について教えます」
10分ほど休憩を取った後で再び授業を開始する。
「魔道具というのはある意味で情報端末のようなものです。魔力を流すだけで術式が発動するようにプログラムを作る、それが魔道具です。魔道具の利点は魔法よりも細かい部分をプログラムできることです。また使う属性も魔道具を作るときにある程度選ぶことができます。例えば火を使う魔道具の場合、緑の属性である圧縮を利用して火を使うことが可能です。別に圧縮の属性がつかえなくてもそれをプログラミングすれば緑の魔力を流すだけで済みます」
「プログラミングとはどうやってするんだ?」
「それについては色々と方法があります。僕はだいたいナノマシンのようなものに使いたい術式の意味を書き込んで何かに埋め込んでいます。ここで大事なのは術式の意味を書き込むということで、これができるなら描いた絵や小説がプログラムになることもあります。これで僕の授業は終わりです」
ふう、説明するのは大変だなあ。魔法も魔道具も使う人によって感じ方が違うからほかの人に分かるように説明するのは本当に難しい。
「透、よく教えてくれた。それじゃあみんなこれからのことを言うよ。これからみんなは2週間この島でサバイバルをしてもらう」
「サバイバルですか?」
「そうだ、この島には食料はたっぷりあるから食べ物の心配はいらない。そして一番大事なのが君たちを私たちが襲うということだ」
えっ!?
「そのメンバーを紹介しよう!!」
(ドーン!!)
そういうと彼女の後ろで爆発が起こり、そこから4人の人間が現れた。
………色のついたお面をつけて。
「液体を操り、男女ともにヌルヌルにする『はしゃぎブルー』!!」
「不自然な風が男性の喜びを作る『はしゃぎグリーン』!!」
「幼い体でビリビリさせる『はしゃぎイエロー』!!」
「沈む先に終わりはない『はしゃぎブラウン』!!」
「そしてみんなのリーダー。血の一滴も残さない『はしゃぎレッド』!!」
「「「「「我ら5人そろって、はしゃぎ隊」」」」」
リーダーも途中でお面をかぶり、戦隊もどきができた。黒羽達はいまだにポカンとしている。
「それじゃあ今から始めるよ!!《炎弾》!!」
「え?きゃあっ!?」
いきなり火の玉を放ってきたがそれをなんとか『黒札』で防御する。
「みんな早く逃げろ!!あの5人は特におかしな奴らだ!!まともにやるとひどい目にあうぞ!!」
「わかったわ!!みんな3人で固まって逃げましょう」
「そうね、それがいいわ。夕日ちゃん、神無月ちゃん一緒に行きましょう」
「「はい」」
「では男子は男子で固まろうか」
「それじゃあ私は奈々ちゃんと茜ちゃんね」
「みんな気を付けて!!」
そうして僕らの地獄は本格的に始まったのだった。